第9話 儲け話
メッセージを送って十数分、dmが返ってきた。
「ご連絡頂きありがとうございます。2点ですね。明日でしたらすぐに鑑定承ります。もしご都合が良ければ午後5時にC駅前でお会いしませんか?」
良介は了承の返事をすぐにした。
(C町とか久しぶりに来たな。メッセージでは
スーツ来てる男って言ってたな)
C駅はそこまで人がいる訳では無いので、すぐにスーツ姿の男性を発見した。
(あの人かな?イケメンだな…)
彼は赤髪の男に近付き問いかけた。
「こんにちはー!タクトさんですか?」
「よろしく。武器の鑑定だから静かな場所に行こっか」
頼もしい彼はそう提案した。
裏路地に到着すると、彼は商談を始めた。
「ここなら多分大丈夫だね。鑑定して欲しいものはどれ?」
「これです」
彼は周囲を確認してリュックから短剣と鍵を取り出した。
「おー凄い物だね」
「後これを。代金です」
タクトは封筒から札を取り出すと、しっかり二枚あるか確認した。
「確かに。で、効果なんだけどこんな感じ」
メモ帳とボールペンを左胸の内側にあるポケットから取り出すと、鑑定品の効果などを書き、良介に見せた。
「死霊術師の墓のインスタントキー」
[レア度]
★★★
[説明]
扉に差し込み回してから扉を開くと、死霊術師の墓というダンジョンに繋がる。
「ソウルダガー」
[レア度]
★★★★★
[説明]
魂を閉じ込める事が出来る短剣。
魂を使うことによって、強力な一撃を放つ事が出来る。
「す、すごい…」
「そうだね。朝鑑定に来た人よりレアなもの持ってるね。どこで手に入れたの?」
「ダンジョンのボスを倒しました」
「ボスを?すごいね君」
「途中で出会った人と二人で戦ったから勝てたんですけどね」
「どこのダンジョン?」
「A市のB公園です」
「え?まだダンジョンブレイクして無いはずだけど?」
「ダンジョンブレイク?」
「ネット上ではダンジョンのボスを倒した後に段々ダンジョンが壊れていく事をそう呼んでいるよ」
「そうなんですね!」
(真のボスは他にいるのか?)
彼がそんな事を思っていると、物知りな彼はこう言った。
「もし良ければこのアイテム売ってくれない?お金は弾むからさ!」
「幾らくらいですか?」
「そうだね…鍵は見た事ない物だから一旦置いといて、武器は高値で売れるから大体500万かな?」
良介は耳を疑った。
「ご、500万!?」
「むしろ少ない位かもね?富豪に買い占められたらもっと高くなるかも?」
「え!?」
(探索って稼げるんだな…)
儲け話をしていると3人の男達がやってきた。
「俺達もその話混ぜろよ」
ガラが悪い人達は、裏路地に来てそう言った。
「戦闘は君に任せてもいいかな?」
「逃げた方が良くないですか?」
タクトの方を見ていると、ニヤニヤしながらナイフを取り出す彼がいた。
(こいつハメやがったな!?)
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