第29話 鑑定
(信用したのが間違いだった)
そう思ってしまった。
その時、彼女はすかさず弾丸を放った。
(ここで終わりなのか……?)
咄嗟の事で反応できなかった。
しかし、弾丸は背後から迫っていた骸骨に着弾した。
「驚かさないでください!」
「え!?そんなつもりじゃ無かったのに!そんな事よりも報酬を持って、帰りましょう!」
良介はボスが持っていた真っ黒なローブをしっかり抱えた。
そして、彼らがゲートに注目していると確信すると、ボスが持っていた大鎌を隠れて売却した。
(10万!やったぜ)
そして、彼らはゲートをくぐり抜けた。
すると、目の前には黄昏時の街が広がった。
徐々に暗くなっていく空、まるで彼らの心境を表しているようであった。
「私が電話とかしとくので、良介さんはもう帰っていいですよー!ポイントはしっかり付与しておきます!」
「お疲れ様でした。また機会があったらお願いします」
「はーい!」
良介は罪悪感を感じながら彼らを背に向けて歩き始めた。
「ただいまー」
「お帰り!今日はカレーライスよ!」
良介は夕飯を食べ終えると、お風呂に行った。
(初めて目の前で人が死んだ。もし俺がもっと強かったら助けられたのに)
彼はずっとお風呂に引きこもりたい気分であった。
しかし、後悔しても遅いと考え、これから強くなる方法を考えた。
(お金さえあれば強くなれる。家族や友人を守るためにお金稼がないとな)
そこで、今日獲得したお金を思い出した。
(確か色々売って11万円位稼いだんだっけ?)
確認する様になんでもショップを開いた。
残高:35万5000円
[商品名を入力]
[チャージ]
[ガチャ]
(おー!スキル一個は買えるかな?てか攻略した報酬も売ったら、魔法一つは買えるんじゃね!?)
彼は胸を弾ませてお風呂から上がった。
彼は自室にて扇風機を使って髪を乾かしていた。
(ローブ売ろうと思ってたけど、初めてゲットした防具なんだよな……)
ローブを売るか、弓を売るか、腕輪を売るか、はたまた黒い短剣を売るのか、彼は迷いに迷っていた。
(とりあえず売値見るか!)
試してみた結果こうだった。
ローブ:100万円
黒い弓:500万円
不気味な腕輪:100万円
黒い短剣:150万円
(うーん悩むな)
そして彼は遂に決断してみせた。
(よし!あまり使ってないし黒い短剣にするか!)
残高:185万5000円
[商品名を入力]
[チャージ]
[ガチャ]
彼の手は興奮で震えていた。
「凄!」
語彙力を失い、そんな感想しか出てこない。
(何のスキル買おうかなー。でも武器とか防具もありだな)
その時、良い案を思いついた。
(鑑定買えば色々便利じゃね?)
今までは効果などからアイテム名、そしてスキル名推測していた。
しかし、鑑定があればどうだろうか。
人の武器も鑑定して購入できるし、スキルだって鑑定して名前を知ることが出来る。
また、戦闘の際も敵が持っているスキルが分かるので、有利に戦える。
(鑑定で決まりだな!)
100万円を代償に、鑑定を手に入れた。
「鑑定!」
試しに漆黒のローブを鑑定してみた。
すると、初めて見る画面が現れた。
「死神見習いのローブ」
[レア度]
★★★★★
[説明]
装備している人の身体能力を向上する。
(おおお!!本当に鑑定出来た!)
彼は家にあるものを片っ端から鑑定する事にした。
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