第13話 新機能
「良介、何も無さそうだし帰るか!」
「だなー」
彼らは帰還ゲートをくぐった。
すると、目の前には普段通りの地下鉄が広がっていた。
「まじで帰れるんだな」
「だな!」
「手汗やべぇ!少しの間は勘弁だぜ」
「俺はダンジョンあったら行くけどな」
「えぇ!?今日二回も死にかけたのにか?」
「まあそうだな…」
「なんの為に?」
「なんの為にって…強くなりたいから」
彼は少し恥ずかしそうに俯きながらそう言った。
「ははっ!良介らしいぜ!まあ一ヶ月後位なら俺も協力してやって良いぜ?」
「その時になったら頼むよ!」
「おう!任せとけ!」
もう午後7時頃になっていたので、彼らは帰宅
する事にした。
彼はする事を終え、自室のベットに寝転がった。
「ああー今日も疲れたな。でも強くなってる気がして悪い気分ではない!」
(そういえば、レベルアップしてたな。ステータス見とこ)
名前:高橋良介
レベル:10
種族:人間
[称号]
ダンジョン攻略者
[所持スキル]
なんでもショップ[lv 4]
トレジャーハント
(おお!スキルレベル上がってる!)
彼はいつも通りなんでもショップを開いた。
商品説明機能が追加されました。
商品の値段表示を改善しました。
(商品説明機能?今まで無かったの!?値段表示改善はちょい便利だな)
彼はネットショップには当たり前にある機能が無かった事に驚きを隠せなかった。
(まあいっか。それよりもこれってアイテムの名前さえ分かれば鑑定要らなくなるかも?)
彼は試しに「ソウルダガー」と検索した。
残高:1万円
ソウルダガー:200万円 [購入]
(で?どうやって見るんだ?)
彼はもしかしたらと思い、名前のタップしてみた。
「ソウルダガー」
[レア度]
★★★★★
[説明]
魂を閉じ込める事が出来る短剣。
魂を使うことによって、強力な一撃を放つ事が出来る。
(タクトが言っていた事は本当だったんだな。)
その時、スマホの通知音がなった。
(ん?誰からだろ?)
kaedeからのメッセージです。
「良介くん!週末空いてますか?その日あるダンジョンに行きましょう!」
(楓からのメールか。週末はどうせ予定ないし了解って送っとくか!)
彼は賛成の意を示した。
するとすぐに返事が返ってきた。
kaedeからのメッセージです。
「やったー!じゃあA駅前で集合で!」
そして週末、彼はいつもより早く起き駅に到着した。
(待ち合わせまで後10分か…なんかそわそわするな)
すると、後ろから柑橘の香りが漂ってきた。
振り向くと、知っている顔があった。
「おはよー!待った?」
「全然!今来たところ」
「良かったー!とりまカフェ行こっか?」
可愛らしい彼女に連れられて、良介は近くのカフェに行った。
静かな店内は、珈琲の良い匂いが漂っており、落ち着ける空間となっていた。
「ここパンケーキが美味しいらしくて前から来てみたかったんだよねー!」
「そうなんだ。じゃあ俺もパンケーキ頼もうかな」
「おっけー!」
注文を済ませ、彼らは本題に入った。
「今日はどこにダンジョンあるの?」
「今日の朝調べたらね、ここの近くの山にあるらしいよ!」
「まじで!?じゃあそこ行こっか」
今日の目的地を決めると、おすすめの小説の話などを始めた。
すると、美味しそうなパンケーキ二つとコーヒー、ストレートティーが届いた。
「美味しかったね!」
「だな!」
「じゃあ行こっか!」
食事を済ませると、彼らは店を出て目的地に向かった。
「ここか…」
住宅地から離れた所にある、巨大な花園の広場にそれはあった。
彼らは入場料を払って入った。
「500円か…もっとバイト頑張らないと…」
「涼介くんバイトしていたんだ!どこで?」
「家の近くのコンビニ。結構時給良くてさ」
「へー」
彼らはそんな話をしながら、外からも見えたトンネルのような洞窟に入っていった。
「今回も洞窟か」
「けど前より広いね!」
人が横に並んで20人ほど並べる広さの洞窟を彼らは進んだ。
「雑魚敵なんだろな?」
「洞窟だしまたゴブリンとかかな?」
「かもな」
彼らが疑問に思っていると、すぐに答え合わせしてくれた。
それは5匹?いや、もっと多くの群れを成していた。
それらは天井や壁に空いている穴から、カタカタと音を出しながら、近付いてきた。
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