第16話 売却機能

「レベルが上がりました」


「ダンジョンを攻略しました。攻略者に称号と報酬を与えます。また、帰還ゲートを生成致します」



 その時、良介の目の前に黒い短剣が出現した。


「おおー」


「遂に武器ゲットです!」


 嬉しそうにする彼女の手には片手剣が握ってあった。


「私は杖か…」


「凄い!」


 喜びを分かちあっていると、二人の男性が声をかけてくる。


「助けて頂きありがとうございます」


「あなた達がいなかったらどうなっていたか…」


 彼らは震えながらそう言った。


「大丈夫です。」


「お仲間さん残念でしたね」


「君たちは帰って休むといい」


 良介は辺りを見渡して隠し部屋が無いことを悟ると、彼らを帰還ゲートに案内した。


「ふー!脱出ですね!」


「だな!」


 中年男性も会話に入りたそうな目でこちらを見てきた。


 その為、良介は声を掛けた。


「崇さんは何のためにダンジョンに来たんですか?」


「少しお金が必要でね…」


「な、なるほど」


 触れてはいけない話だと思い、解散する事にした。


「てことで、お疲れ様でした!」


「本当にありがとう少年たち!」


「またパーティー組みましょう!」


「だな!」


 彼らは帰路についた。


(今回はまじで死にかけたな…崇さんと協力しなかったら今頃…)


 若干人間不信になっていた良介だが、今回の件で信じてみるのも悪くは無いと思った。




「ただいまー」


「お帰りなさい!ご飯できてるわよ」


 彼は出来上がったパスタを食べた。


 そして、食べ終えるとクーラーの効いた自室に戻った。




(そういえば、レベル上がってたな)



 名前:高橋良介

 レベル:15

 種族:人間


 [称号]

 ダンジョン攻略者(2)


 [所持スキル]

 なんでもショップ[lv 5]

 トレジャーハント



(おおお!またスキルレベル上がってるじゃん!)


 彼はいつも通りスキルを使用した。



 売却機能が追加されました。



(売却機能!?)


 彼は驚きながら売却を選択した。


 すると、「売却したい物をここに入れてください」と書かれた円とその下に「完了」と書かれたボタンが出現した。


 彼は試しにソウルダガーで手に入れた短剣を入れた。


 虚空に消える短剣が消えた後、彼は「完了」を押した。


 すると、新たな画面が表示された。



 本当に売却しますか?

 合計:100万円

[はい] [いいえ]



(他のも値段確認するか!)


 確認した結果こうだった。



 ソウルダガー:100万円


 地下鉄ダンジョンのダガー:50万円


 黒い短剣:150万円



(1番安い地下鉄ダンジョンのダガーを売るか)


 彼は震える手で [はい] を押した。


 残高が増えたのを確認し、彼は念願のスキルを購入してみる事にした。



 残高:50万5000円

 火属性魔法:50万円 [購入]

 水属性魔法:50万円 [購入]

 土属性魔法:50万円 [購入]

[更に表示]



(どうしよっかな…別のスキルとか見てから考えるか)


 彼は究極の選択に頭を抱えた。

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