第29話 入寮(面倒ごとばっか、)

「しゃ、今日とりあえず入寮か!」

昨日、あの順位を見てから宿屋に行って、飯を食って寝た。しか覚えていない。何を食ったかも知らないし、ベットまで行ったことも覚えていない。それほどまでにあのことがショックだったのだ。

(まぁ、今頃考えても仕方ないか、)

そう思いながら、学園の指定カバンを持ちながら寮へと歩く。歩いてる途中で、適当に昼飯を買った。

(うまいな。この肉。)

なんの肉かわからない串焼きを食べながら寮にたどり着いた。そのまま寮の扉を開けて中へと入る。

(俺の部屋はっと、3階の311号室か、同部屋はだれかわからないが二人部屋らしいし)

階段を上がり自分の部屋の前へときた。そして、扉を開ける。まず、目に入ってきたのは、セルリアンブルーの髪を持ち空色の眼を持った前世なら余裕でアイドルグループいるだろうといったシュートカットの美少女が下着姿で着替えようとしている光景だった。

「すいませんでしたー、」

力なくゆっくりと言い残して扉を閉める。フゥーと一息ついて、全速力で学園目指して走り出す。

(まず、間違いなく捕まったら殺される!とりあえず、理事長室まで言ってあの、ゴミ理事長に文句言ってやる!)

後ろからの殺気を感じながら理事長室まで振り返らずに走った。そして、勢いよく扉を蹴り開ける。

「おい!ゴミ理事長、なんやねんあれは!」

入って開口一番怒号を立てる。すると理事長ではないソファに座っているボブのエルフ?の女性が

「やぁ、キリアかい。久しぶりだね。一年ぶりかな。」

そう言って振り返った。俺はその顔をみて絶句する。

「し、師匠!なんで、こんなところに、」

それを聞いてニカっーと笑っているこの女性について説明しよう。

俺が精霊王との修行をして、一年程度した時にスッと現れた、魔階級1級の化け物。そして、俺らが苦戦したマナイーターを一人で倒した変態。それがこの女"剣神"クシフォスその人である。

「だから、言ったじゃん。この理事長と友達だって。」

理事長の方を指を指す。彼女は黒い長い髪を持っていて、黒い眼を持っている。俺と似たような感じの綺麗な女性だ。この人の名前はプリメーラ。"無限"の異名を持つ第1階級魔導師である。

「クシフォス、キリア少年が困っているだろ。その辺にしといてやれ。」

プリメーラは笑いながら笑っていない目でクシフォスを睨む。

「で、なにようだいキリア少年?」

「あっ!そうだ。忘れるとこだった。ちょ、俺と同部屋のあの美少女は誰だ!てか、なんで女と同じ部屋なんだ!」

「えっ、知らないのかい。」

言ってなかったけ?みたいな感じで首を傾げている。

「この学園は一席と二席が同部屋といったように順位が隣同士の子が同部屋になるんだ。」

「はぁ?」

そんな会話をしていると後ろから扉が勢いよく開いた。

「やっと、はぁ、見つけた。はぁ、殺してやる。」

息を切らしながらやつが入ってきた。

「そうそう、彼女の名前はアリス=トゥーレだよ。これから仲良くしなさい。」

わざわざ理事長はそんなことを言った。その顔には悪意しかないのがわかる。そんな光景を見ながらニヤニヤしている師匠。

「どうやって死にたいですか?」

殺気ダダ漏れで俺を睨んでくるアリス。

(終わったかもな。)

覚悟を決めた俺だったが

「なら、決闘すればいいじゃないか。」

俺とアリスが一斉に振り向く。

「勝った方が言うことを聞かせられる。これでいいんじゃない。」

クシフォスがとんでも提案をしてきたのだった。

「その話乗ったわ。私がこの人より下なんてありえないから。」

アリスはすぐに快諾しそう宣言する。

「私が勝ったら、部屋での私の命令は絶対だから。」

そう言い残して、部屋から出ていった。

「どうする、キリア。君は受けるのかい。」

まだ、ニヤニヤしている師匠

「受けるしかねぇだろ。めんどくせぇ。」

「でもやっぱり受けるんだね。少年は、」

理事長がそう言ってくる。

「あ?当然だろ。俺は最強にならなきゃいかないんだから。あー、めんどくせぇー。」

呟きながら部屋から俺は出ていった。


キリア退出後


「どっちが勝つと思う。」

クシフォスがプリメーラに尋ねる。

「あなたはどう思うのよ。」

「僕かい?僕は十中八九キリアが勝つと思っているよ。」

「そうだろ。私もそう思っている。なぜなら、私はあの子が入試の時にハンデ戦とはいえあの少年に圧倒されているのだから。」

そんな会話を1階級どもがするのであった。


〇〇○

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