第21話 王立図書館(来たくはなかった、)
「エルフの里?どこにあるんだよ。しらねぇわそんなとこ。」
切り捨てようとするキリアだが、このエルフもなかなかにしぶとかった。
「どうか、お願いします。自分の力じゃ戻れないんです。ここがどこかもわからないし。」
そう言って泣きそうになっていた。
「嫌だよ。俺じゃなくてもいいじゃん。別の違う人にでも頼めよ。」
その場をそそくさと後にしようとした。しかし、キリアの服の裾を掴みながら、
「頼みます。お願いします。なんでもしますから。どうか、お願いします!」
泣きながら頼み込む。流石のおれもここで折れてしまった。
「わかったから、泣き止めよ。はぁー、めんどくせぇ。てか、お前の名前なんて言うの?」
頭を掻きむしりながら問いかける。
「私の名前はクレハ、よろしくね。」
泣き止んだ美少女(めんどくさいやつ)が笑いながら自己紹介をした。
(こいつ、嘘泣きだったな、)
騙されたと思いつつも、
「さっさと行くぞ。っと、その前にこのフード被っとけ。」
そう言って、自分の下にある黒の泉から一つのフード付きのはおるものを取り出す。
「これは?」
首を傾げてクレハが尋ねる。
「認識阻害がついている。まぁ、きとけばバレないだろ。」
そう言って先にそそくさと歩き出す。
「ぁりがと」
後ろからそんな小さな声がしたが俺は無視をするのだった。
冒険者ギルド前
「俺はちょっとここに用があるからついてこい。」
クレハを連れてギルドの扉を開ける。まぁいつも通り騒がしかった。キリアは人混みを避け受付嬢のところへと行く。
「ほれ、Bランク昇格クエストの対象だ。パッパと上げてくれ。それとオーラルのおっさん出してくれ。少し話があるって言って、」
受付嬢に雑に頼み込む。すると階段から
「また、めんどうごと持ってきたのかキリア?」
少しうれしそうにギルマス室へと案内される。
「まぁ間違いなく、そっちのフード被ってる人絡みだろ。」
呆れ顔でオーラルが言う。
「あぁ、人じゃないがな。クレハ取っていいぞ。」
クレハがフード華麗にをとる。
「これは驚いたな。エルフか?」
不思議と驚き半々といった感じでオーラルが問いかける。
「あぁ、間違いなくエルフだよ。それで、オーラル、エルフ里の場所を知らないか?」
そう言うとオーラルがニヤニヤしながら
「なんだ連れて行くのか?」
「まぁな」
嬉しそうに俺の返事を聞くオーラル
「まぁまず、俺は知らない。だが、心当たりはある。もしかしたら、王立図書館になら何か情報があるかもしれない。ちょうど上がっただろ。行ってこい。」
コーヒーを飲みながら俺に情報をすぐに明け渡した。
「わかったよ行ってくる。クレハを頼むわ。」
そう言って立ち上がる。
「えっ、ちょっとキリアまってよ!」
急いで立ち上がってついてこようとするクレハ
「大丈夫だよ。ここは安全だ。それにここの受付嬢は可愛い子が好きだから色んな服も見繕ってくれるさ。そんじゃ行ってくるわ。」
扉に手をかけると後ろからオーラルが
「おまえ、門の衛兵はどう切り抜けてきた。」
その質問がくるのはわかったいた。あんな怪しいやつを連れてれば当たり前のことだ。そして、俺はニヤッと笑って、
「俺の、顔パス」
堂々とそう告げてその場を後にする。
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