第30話 3年で得た力
「さぁ、始めましょうか!」
あのゴタゴタがあって、2時間ぐらいして戦闘服に着替えた二人は決闘場へと来て、アリスがそう言った。
「あぁ、やろうか。」
昔から愛用しているオーバーコートを着た戦闘服の俺はそう言った。
「勝敗はどちらかが降参するか、戦闘不能となるまでとします。死んでさえなければ治せるので全力でしてください。結果は私が見送ります。」
理事長が上の観客席から楽しそうに審判をしている。
「おい、キリアー!師匠の顔に泥塗るんじゃないぞー。」
野次を飛ばす師匠を無視して、開始の合図を待つ。
「それでは、始め!」
合図とほぼ同時に目の前に氷の槍のようなものが現れ、俺に目掛けて飛んできて命中する。威力がありすぎたのか俺の周りに土煙が舞う。
「私の、術式は[神氷]自由に氷を操れる能力です。わかりましたか、あなたは頭がいいのか知りませんが実力差がありすぎます。せめて降参してください。殺してしまいます。」
勝ち誇っているアリスを横に
「あ?もう説明終わった?」
土煙の中から無傷の俺が姿を表す。
「なんで?!」
驚いているアリスにわざわざ丁寧に説明俺は始める
「さっきお前も教えてくれたからフェアになるように教えてやるよ。あっ、ちなみにあと何回打っても俺に攻撃は届かないよ。そういう技だから、この技の名前は白繭。
魔力を神聖力へと転換させて俺をオートで守ってくれる技だ。突破するなら俺の神聖力密度を魔力密度で越えるか出力をあげるしか方法ないから頑張って。」
大きなあくびをしながら眼を擦る。もう眠気がすぐそこまで来ていた。
「こんの!」
言葉をこぼしながら魔法を打ち続けるアリスだが俺には届くはずもない。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
「もう降参したら勝てないよ。君じゃ俺に。」
「そうね、本気じゃないとかてないね。」
アリスがそう告げると大量の魔力が立ち上る。
(俺と同じあの力か?いや、特に禍々しくもない、何かは知らないがこれはやばいな。止めるか。)
「きなさい!」
アリスが何かを発動させたはずだが特に何も起こらなかった。
「なんで!なんでよ。」
自分の術式を見ながらアリスは叫ぶ
「何度試しても無駄だよ。これは俺の技で"乱魔"と言うものだ。相手の術式を乱す技だ。それゆえにお前は魔法を使えないよ。てことで俺の勝ちだ。」
纏魔"速"で一瞬でアリスの背後へと回る。
「なっ、」
トンッ、
首を手刀で叩きアリスの意識を飛ばした。
「君じゃ俺には届かないよ。」
そう言ってお姫様抱っこをしたアリスを保健室へと運ぶのであった。
〇〇○
魔法の威力は術式にも左右されますが、一般的には
魔力出力✖︎魔力密度=威力
といった感じで決まります。今回出てきた神聖力も同じです。
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