第11話 対ギルドマスター戦(お前が言ったんやないかい)

[狂戦士(バーサーカ)]

そう呟くとオーラルの体がでかくなった。元々180ほどあった身長が、多分200は余裕で越えるほどでかくなった。

「え、見た目もバケモンになったやん」

そんな失礼なことを言っていると、

「さっきの、返すぜ。キリア!」

同時に俺に対して突っ込んできた。速すぎる動きに一瞬姿を見失う。だがしかし、すぐに目の前に現れた。そして、オーラルがそのまま大剣を下から上へと切り上げる。

「しまっ、」

途中で言葉が途切れ、もろに横腹に受けてしまったキリアが壁まで飛ばされる。そして、オーラルの時と同じように砂煙が舞う。

「手応えがあんまりないな?」

不思議そうに大剣を見るオーラルをよそに何事かもなかったかのようにキリアは立ち上がった。

(ぁぶっね!山勘で横腹に[纏魔"防"]を張っていて正解だったな。あんなもん受けたら死んじまうぞ!接近戦は分が悪いか、でもあのスピードだと黒槍じゃ無理か。だったらあれだな。)

危機を感じて黒の泉を展開したまま、オーラルとの距離をとる。

[黒穹]

そういうと、キリアの手に黒い弓が出来上がる。

「行かせてもらうぜ!」

同時に黒い矢が8つほど同時に放たれる。8つの矢はいろんな軌道をたどりながらオーラルへと向かっていった。しかし、オーラルは避けるとも、剣で防ぐともせずに全ての矢を受けた。矢を受けたところから大量の血が流れる。

(なんで、こいつ避けなかったんだ?まぁいい、攻撃の手を緩めるな。)

そう思いながらさらに弓を弾こうとすると、オーラルが先ほどよりもさらに速いスピードで突っ込んでくる。

(ダメだ!弓を引くまでが間に合わない!チッ、)

[黒槍]

オーラルの真下にある黒の泉から、大量の槍を出した。すると、それにも臆さずに刺さりながら突っ込んでくる。

(ヤバすぎやろ!こいつ、どんな神経してんねん。)

動きをとりあえず封じようと思ったキリアは相手の動きを止めるだけなら黒鎖の上位互換である技を出した。

[黒檻]

そういうと、黒の泉から出た檻がオーラルを閉じ込め、オーラルの動きが止まる。すると、オーラルが出ることを諦めたのか、剣を上へと上げて振り落とした。すると紫色の斬撃がキリア目掛けて真っ直ぐに飛んできた。

(しまっ、この間合いじゃよけれねぇ、)

そう思いながら纏魔"力"を発動し、黒刀で斬撃を迎えうった。

「こん、チクショウがー!」

そう言いながら天へと斬撃の軌道をずらした。

そして、キリアがオーラルの方を見ると、先程までに受けた傷が全てなくなっていた。

「なっ、オーラル、お前傷は?!」

「あぁ、これか、俺の術式は全ての能力が上がるのはもちろんだが、俺の術式は相手から受けたダメージを蓄積して、放つことができるんだ。そして、術式発動中のダメージは、放つことで全て回復する。まぁ、その分発動時間は5分だがな。」

(なんちゅー術式だよ。チートだチートやってられるか!)

そう言いながら呆れ顔をしたキリアが口を開く

「あぁーもう降さ、」

「お前、本気出せよ。」

そう言ってキリアの言葉を遮った。

「お前、ずっと本気出してないだろ。本気でやらずに負けたら、ライセンスさえ発行しないからな。」

そう言われてキリアは引くに引けなくなった。

「はいはい。わかりましたよ。じゃ、お願いがあります。、、、、、、死なないでくださいね。」

そして、キリアが前髪をかき上げると、

「っ!」

オーラルの顔が引き攣った。それもそのはずである。なぜならキリアからは人間のものとは思えない禍々しい魔力が立ち昇ったのである。

「さぁ、行きますよ、」

キリアがそういうとオーラルが手を上げ

「降参だ。負け負け、俺の負けだよ。」

「はぁ!」

それを聞いたキリアが少し切れた声を出した。

「だってお前がそれ使ったら、多分俺お前に殺されちまうしな。それは嫌だから俺の負けだ負け。後、お前、それ本当の奥の手だろ。多分使ったら意識も飛ぶ系の。」

「はい、まぁ当たってます。」

はぁーと言いながらため息をつくオーラル。

「まぁそれも含めて全て上で聴こうか。」

そう言ってギルマス室にまた案内されるのであった。

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