第15話 二週間(なんかもう、恐い)
セリアのリハビリを始めてもう2週間がたった。もうセリアは、自分で立って歩けるようになるところまで回復していた。最近は俺と一緒にダンスの練習や礼儀作法の練習などを取り入れている。そして、礼儀作法やピアノ、術式の勉強、そんなことをしている時俺は暇なのでメイドや執事の手伝いをしたり、修行や冒険者の仕事をしている。
「ありがとうございます!キリアさんが来てから花壇に寄ってくる害虫が減って本当に助かってます。」
今は花壇の手入れの手伝いをしている。この人は最近仲良くなった、メイドのコロンさん、茶色の髪のベリーショートカットの髪が特徴的な元気な女の子だ。
「それで、今度の休み、その、よかったら一緒にご飯に行きませんか!」
そう言われて素直に嬉しかった。
「ええ、ぜひ行き、」
いきましょうと言おうとした瞬間、後ろの柱あたりから冷たい目線を感じた。
(あぁーまたか、はぁー)
そう思いながら
「すいません、返事はまた後で言います。お嬢様のリハビリの時間ですので!」
そう言いながら駆け足でその場を後にする。コロンさんは後ろでただそれを眺めていた。
そして、セリアの部屋へと向かい、扉を開けると、すんごいご立腹のセリアがベットに座っていた。
「なぁ、セリアあんなことで怒らないでくれるか。俺にも付き合いってもんがあんだよ。」
そう言いながら近くの椅子に腰を下ろす。
「嫌です。メイド達と話しているキリアは鼻の下を伸ばしすぎています。」
そうと闇に染まった目でそう言ってくる。
「はぁー、こんな美人が1番近くにいるのにどうやって鼻を伸ばせと。」
そういうと、セリアは嬉しそうにしながらも顔を背ける。
「いつも、そんなことを言って逃げようとするじゃないですか。今回は許しません。」
「じゃ、どうすればいいですか?」
「そうですね、じゃー。私とデートしてください!」
そんなとんでも提案を微笑みながら言ってくるのであった。
数時間後
俺は屋敷の門の前で初めてここにきた服装である女性を待っていた。そして、そこに現れたのは赤いスカートを履きセーラー服の用な服をきて、オーバーコートの用はものを羽織ったセリアだった。
「お!似合ってるじゃん」
そういうと嬉しそうに
「ええ、少しキリアに似せてみました。」
そういいながら俺に小悪魔的な笑みを見せれくるセリア、
(だから、その笑顔は反則なんだよな、)
そう思いながら、
「どこへいく?」
「そうですね。じゃ、冒険者ギルドに行ってみたいです。」
絶対に出てこないであろう名前の場所が出てきたので俺は心底驚いた。
「はぁ!?やめとけ!むさ苦しいめんどくさいやつしかいねぇぞ。」
それをいうとセリアは俺が言っていることがおかしいかのようにクスッと笑い
「キリアがいってるところだから行きたいんですよ。」
そう言われて仕方なく冒険者ギルドに案内する。
冒険者ギルドに着くと俺が扉を開ける。
すると、冒険者が俺たちの方を一斉にみた。そして、俺たちのところに寄ってきて、
「キリアか!久しぶりじゃねえか!なんか奢らせろ!」
「キリア今前はありがとな!」
「キリアさん今から食事しません?」
「キリアさん前からファンでした。サインください!」
まぁこんな感じでそれなりに人気者なのである。このギルド最年少のCランク冒険者にして、実力もあって、みんなのクエストを手伝う優しい人間ってポジションだからな。
「なんだ、キリアこの子は彼女か?隅に置けねえなぁお前は!」
「この子、伯爵家の娘さんだけど。」
そういうと周りが鎮まり帰った。そして皆一斉に頭を下げる。
「「「失礼なことを言ってしまい申し訳ございませんでした。」」」
そう一同が謝った。すると奥からハゲのオーラルが出てきた。
「はぁー、キリア上に来い。後、嬢ちゃんも」
そう言ってギルマス室に入れられる。
「はぁー、お前はバカかキリア。どうやったらお嬢様をここに連れてこようと思うんだ?」
そう呆れ口調で言うオーラル
「しゃあねぇだろ!セリアが来たいって言ったから連れてきたんだ。」
「だとしてもだろ。」
そんな会話をしていると横のセリアが申し訳なさそうに
「すいません、私が来たいと言ったばっかりに、」
「伯爵家の嬢ちゃんは悪くねえよ。悪いのはこいつだこいつ。このアホだ。」
「けっ、もうアホで結構ですよ。」
不貞腐れるキリアをよそにセリアが語り出す。
「なんか、まるで親子みたいですね。お二人。」
それを聞くと、部屋が一気に静まり返った。
「キリア、もしかして話してないのか?」
「どこに話す必要があるんだよ?」
そんな会話を不思議そうに聞くセリア、しかしキリアが自分に隠し事をしていると分かると、
「キリア、話してください。私はキリアのことが知りたいです。」
そう真剣な顔で言ってきたのをみたキリアの目が変わった。
「話したところで何も変わらない。今までも、そしてこれからも」
そう、冷徹な目をしながら冷たい声で淡々とそう言った。そして、
「もう帰ろうか、サーマル様が心配する。オーラル、サンキューな。面倒ごとを回避してくれて。」
どこか遠くを見つめながらセリアに伝えた。そして二人はオーラル達に見送られながらギルドを後にした。帰り道、二人で歩いていると、なにかを決心したようにセリアが言ってきた。
「やっぱり、教えてください!私はキリアのこともっとが知りたいです。全て受け止めます。だから、」
「お前は、俺の何を知っている。もしかしたら俺は、お前を殺すかもしれないぞ。先に言っておいてやる。俺は人を未だに殺したことがないが、躊躇はしないぞ。」
そういいながら、大量の魔力を放出する。それに、怯えながらセリアはいった。
「いぇ、あなたは私を殺しません。あなたは優しい人です。だから、私を殺せません!でも、そんな優しいあなたが親子の話をすると露骨に苦しそうでした!好きな人がそんなに苦しんでるのに、それでも私はあなたの心に寄り添えませんか?!」
そんなことを泣きながらセリアから伝えられたキリア、俺はただ純粋に動揺した。その後に頭をかきながら
(はぁー、そこまで言われたら仕方ないか。あんまり言いたくはなかったんだがな。面倒ごとになるから。)
「わかったよ。全部話す。だから、泣き止んでくれ。とりあえず屋敷に帰ろうか、外の花壇のところのパラソルの場所で話をするよ。」
そう言って二人歩いて帰り、花壇へと行き、キリアは話し始めた。
「そうですか。そんなことがあったんですね。道理で礼儀作法が私よりもできるわけです。」
聴き終わるとそんなこと言った。そして、
「うっ、」
胸へと抱き寄せられた。
「苦しかったですね。今まで、1人で、ずっと頑張ってきたんですね。、、、、、泣いていいんですよ。」
「泣かないよ。まだ、俺にはやることがある。」
そう、決意の硬い目でセリアの方を見つめる。
「それは、復讐ですか?」
「あぁ、家族に対してじゃないけどな。」
「じゃ誰に?!」
焦ってそう尋ねてくるセリア、しかし、キリアは冷静にそしてはっきりと応えた。
「そんなの、決まってるだろ。神にだよ。」
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