第56話 鬼王
キリア視点
(なんじゃあれ?えげつない魔力量だな。あの腕から放ってんのか?)
アレスの右腕が異様の、悪く言ってしまえば気持ち悪い腕になると同時にドス黒い魔力を大量に放ち始めたのだ。
「目か?あれ」
アレスの右腕の手の甲辺りに一つの大きい目のようなものが見えた。
「まぁ、それがなんなのかしっかり見せてもらうよ」
アレス視点
「さてと、行くか」
俺はゆっくりと右の拳を握る。
「なんですかそれは」
やっと俺の方を見てくれたかと思えばこれだよ。まぁいいけど
「あ?これか?これは俺の呪いであり、強さだ!」
俺は地面を思いっきり叩く。地面が地響きを起こし亀裂し割れて瓦礫などが宙を舞う。それはイロアスも同様に空へと放り出すには十分だった。俺はそのタイミングで地面を蹴り距離を詰める。
「おら、行くぜ!」
俺は右腕を大きく振りかぶってイロアス向かって振るった。しかしイロアスは魔力で作り出した剣によってそれを防いだ。はずだった
「なっ!」
俺はその剣ごとぶっ壊し壁までイロアスを吹き飛ばした。
「瞬時に判断して防いだか」
俺は壁に吹き飛ばしてイロアスにそういう。イロアスはゆっくりと立ち上がり
「本当に危なかった。ギリギリのところで防いでなきゃ負けでしたよ。まぁ自分が防いだというよりかは負けるのを術式が許してくれなかったみたいですね」
俺を笑いながら見つめてきた。
「じゃあ次は僕の番ですね」
再び使った魔力の剣ですぐに距離を詰めてきた。
(速い!)
今さっきの動きよりも遥かに鋭い剣先が俺の頬を掠める。そこから血が少し流れる。
「なるほどな。これがおまえの術式か」
俺は納得したと同時に距離を取る。
「本当におまえは伝説に出てくる英雄と一緒だよ。だけどなもう引けねぇんだよ!出し惜しみは無しだ全力で行く!」
俺はそう告げて今一度イロアスとの距離を詰める。だがイロアスも一筋縄ではいかない。
「はっ、やるな」
俺によほど近づかれたく無いのだろう自分の間合いに入れさせないために先に斬撃を飛ばしてくる。だが、
「無駄だぜ」
"破壊せよ"
俺が告げると魔力の斬撃が全て粉々に砕け散る。
「俺の勝ちだ」
俺はイロアスとの距離を詰め切った。そして腹に全力の拳を叩き込んだ。イロアスは決闘場を覆っている結界へと当たり下へとゆっくりと落ちていった。
(ふぅー、終わった。少しは年上の威厳を見せれたかな)
そんなどうでもいいことを考えてその場を後にしようとしたその時だった。
「待てよ」
完全にノックアウトしたやつに呼び止められた。
「まだ終わってねぇよ。ここからが本番だ」
既に満身創痍のはずのイロアスがゆっくりと立ち上がる。
「行くよ、力を貸してくれ。」
聖剣"エクスカリバー"
ただ俺はこの時その輝き圧倒的な力を放つ剣を見ることしか出来なかった。
最弱賢者故に"最強"〜術式のない最弱と呼ばれる少年が最強に至るまで〜 @88100829
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