第37話 再会
「まさか、お前らまできてんのか。」
教室に入ってくる美少女2人に対して告げる。
「なに?私がきてたらダメなのですか?キリア。」
少し怒りながら歩いてくるのは3年前よりも綺麗になった容姿に昔と同じ銀色の髪と紫眼を持つ。
セリア=シンベリラだ。
「なぜだキリア。私はおまえのところに来たらダメなのか?」
赤い髪を靡かせながら姿勢良く歩いてくる美少女はアナスタシア=サングリア。俺の元許嫁だ。
「いや、別に。」
俺はどうでもいいように返す。
「お前というやつは最近はいつもそうなのか?昔はもっと愛想よかったのにな。」
呆れ顔でアナスタシアが言ってくる。
「あっ!アナスタシア姉様。」
アナスタシアを見つけたリリアがアナスタシアに抱きつく。
「おぉ!久しぶりだね。リリア。元気にしてたかい。」
リリアを抱きしめながらアナスタシアがリリアの頭を撫でる。
「ところでこの2人は?」
アリスが聞いてくる。
「あぁ、赤髪の方は元許嫁、銀髪の方は俺の元ご主人様。」
両方とも意味深といった感じで紹介する。その時にアリスの頬が引き攣ったのは気のせいだろ。
「はじめまして。初日にキリアに負けたアリスさん。セリア=シンベリラと申します。」
貴族の淑女らしい挨拶をするセリア。だが、言葉に棘があるのはきっと気のせいではないのだろう。
「はじめまして。アリスさん、アナスタシア=サングリアだ。よろしくな。」
アリスの手をとって握手をするアナスタシア。流石に、こんな感じのことを見せられるとアナは本当にイケメンだなと思う。
「それにしても久しぶりだなお前ら。なんでこの学校に来たんだ?」
そう聞くと、
「私はキリアに会いに来たのよ。」
「私は、強くなるためだ。」
それぞれ別の理由だったがなんとなくだがセリアの理由は怖かった。
(最初の時から少しメンヘラ気質だからなこいつ。)
「ちなみにアナスタシアさんとセリアさんはクラスはどこなんだ?」
アレスがそう尋ねる。
「私たちはB組よ。しかも同部屋」
「そうなのか、」
俺は少し驚いた声を上げる。
「ちなみに言うがキリア。私たちは5位と6位だぞ。」
セリア、自分の順番でアナスタシアが指を指しながらそう言う。
「全然見てなかったわ。わるい、」
悪気がないように謝る。自分より下のやつなんて実際どうでもよかったからである。
「まぁ、私はキリアとこうして話をしているだけでも幸せなんですけどね!」
言葉とは裏腹に俺の胸めがけてダイブしてくるセリア。
「はぁー!3年ぶりのキリアの匂い。久しぶり!」
興奮気味にそんなことをいうセリア。
「あなたたち離れなさいよ!」
アリスが怒ってセリアを引き剥がす。
それを、呆れ顔で見守るアナスタシアとアレス。
リリアはセリアに負けずと絡みついてくる。
(これが、俺の新しい日常なのかもな。)
俺はそんなことを思うのであった。
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