概要
作者のオリジナル妖怪も出ますが、既存の妖怪についても独自解釈あります。
ややグロめの食事描写があります。また、実際に食べるシーンはありませんが、『人間を食べる』といった表現がありますし、人間と妖怪とで倫理観が色々と違います。生死について繊細、敏感な方は避けた方が良いです。
【あらすじ】
日常のちょっとした雑務をこなす『アキヨシの何でも屋』。
そこに住んでいるのは、秋芳という名の、ふわふわ天パで天使のような風貌の雄妖怪と、白黒おかっぱの雌獏・多々良である。
仕事内容は、日用品の買い出しや、網戸の貼り替え、電球の交換に、屋根の雪下ろし等々。親戚のお兄ちゃん辺りが渋々請け負いそうなものばかり。
けれどその仕事とは別に、馴染みの鍵屋からも依頼が来る。それこそが彼にしか出来ない仕事だったり
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!人間の真をコミカルと混ぜて描き出す
途中まで読んだところでのレビューなのですが、
宇部さんの作品は非常に幅が広いと思います。
ラブコメから、しんみりするお話から、ちょっとゾッとするようなものまで。
このお話は最後の一つに類する……と思います。
妖怪がとある「開けられた」ものの中を「食べる」のですが、その中身は。
その中身にまつわるお話は、欲か、恨みか、それとも。
人間が内に秘めている姿を曝け出すようなものを読むと、自らにもあるのではないか、と可能性にゾッとしませんか。
しかし決してホラーやミステリーではありません。
それがこのお話のすごいところ。
コミカルなタッチで描かれる会話が怖さを無くし、続きを読ませます。
どうぞご…続きを読む - ★★★ Excellent!!!なんでも食べる妖怪と個性豊かな仲間たちの、ほっこり日常劇。
妖怪の存在が認められ、人間と共存している世界。
鬼や河童などは、名前やらデザインやらの使用料でかなり儲けていますが、そういうのはメジャーな妖怪だからこそできること。マイナーな妖怪は、地道にコツコツ働くという、普通の生活を送っています。
本作の主人公秋芳くんも、そんなマイナー妖怪の一人。一見するとポヤポヤした美少年の彼は、何でも食べてしまう、『悪食』という妖怪です。食べようと思えば、花だろうと石だろうと、何だって食べてしまえる。
その能力は、彼の営む「アキヨシのなんでも屋」のお仕事でも見事発揮されます。
なにしろものだけでなく、人に害をなす怪異まで食べてしまえるのです。彼にかかれば、いわく付…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ユニークなキャラクター満載の、妖怪ファンタジー
現代に近い世界観の、妖怪ファンタジー。
主人公は一見すると女性のような、見目麗しい青年、秋芳。その正体はなんでも食べちゃう妖怪『悪食』です。
彼はもうなんでも食べます。きんつばのような和菓子も食べれば、土だって食べる。そして悪意や怨念といった、良くないものも食べちゃいます。
こんな風に書くと怖いホラーを想像されるかもしれませんけど、登場キャラクターはコミカル。
何でも屋をやっている秋芳の助手で、正体は夢食い獏の元気いっぱいの女の子、多々良。
開かずの金庫を開けるのが大好きな、男装の麗人で天才鍵師の伏木さん。
妖怪絡みの依頼があれば、愉快な仲間達が乗り出して解決。悪いものが出てきたら、秋芳が…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ほのぼの日常系妖怪物語~基本はコメディ、時々シリアス~
何でも食べちゃう妖怪の悪食とそんな悪食をボスと呼んで慕い、甲斐甲斐しく世話をしている夢食う雌獏コンビのやりとりが楽しくてかわいい作品。
特に獏の多々良ちゃんが可愛すぎます。
この子がしゃべってるとそれだけで笑えます。褒めてますよ。
もちろん、きゅるるんほんわかな美少年(ある人物には美少女だとしくこく勘違いされている)主人公、悪食の秋芳くんも天使級の可愛らしさなんですが、やっぱりイチオシは多々良ちゃんでしょうね。
秋芳くんはちょっと冷静な天然といいますか、奇声をあげたりするタイプじゃないですから。少々お食事シーンがアグレッシブな真面目くんタイプで、心優しい妖怪さんなのです。
しかし多々…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ほっこり妖怪コンビがなんでも解決!その案件、対応します!
あやかしは登場しますが、基本的にはコメディベースのお話です。
『アキヨシのなんでも屋』は日常のちょっとした困りごとを対応してくれるお店。
店主は妖怪(悪食:なんでも食べる)。従業員も妖怪(獏:悪夢大好き)。この店に厄介事を持ち込むのは凄腕鍵師(男装の麗人)。
あかずの金庫を開けたり、あかずの間を解決したりするのですが……。
とにかくこの三人(+α)がわちゃわちゃと楽しい!
店主(ボス)大好きな従業員の獏・多々良がいい!
彼女の「室町ジョーク」(2章1-4多々良ブチ切れる)なんてお腹を抱えて笑いました(笑)
だからこそ、ふたりの過去が語られる場面では心にぐっときます。
ぜひぜひ、ご一…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ボス大好きな獏ちゃんと天然な主人公とのやりとりに毎朝ほっこりしています
ご近所さんの困りごとを解決する何でも屋さん。そこの店主である天使のように可愛い(でも男の子)秋芳君と、秋芳君を「ボス」と呼んで慕う獏の女の子(もちろん可愛い人間バージョンに変化します!)の多々良ちゃん。
「悪食(あくじき)」と呼ばれる何でも食べる妖怪である秋芳君のもとには、男装鍵師の伏木さんから、ときどき風変わりな依頼が持ち込まれます。
それは開かずの金庫の中身を始末するというもの。
さて、今回の開かずの金庫に入っているモノは――?
と、ちょっぴりホラーテイストだったり、時にシリアスが入っていたりするのですけれど、基本はほのぼのです!
個人的に大好きなのは、「あいあい! かしこまり…続きを読む