途中まで読んだところでのレビューなのですが、
宇部さんの作品は非常に幅が広いと思います。
ラブコメから、しんみりするお話から、ちょっとゾッとするようなものまで。
このお話は最後の一つに類する……と思います。
妖怪がとある「開けられた」ものの中を「食べる」のですが、その中身は。
その中身にまつわるお話は、欲か、恨みか、それとも。
人間が内に秘めている姿を曝け出すようなものを読むと、自らにもあるのではないか、と可能性にゾッとしませんか。
しかし決してホラーやミステリーではありません。
それがこのお話のすごいところ。
コミカルなタッチで描かれる会話が怖さを無くし、続きを読ませます。
どうぞご堪能ください。
もちろん、「宇部さんのお話はこうだよね!」と作者読みをする読者様の期待も裏切らない!
このお話が気になった方は、一緒に「テナ&プーヴァと厄介な客人」もお薦めしますよ!
妖怪の存在が認められ、人間と共存している世界。
鬼や河童などは、名前やらデザインやらの使用料でかなり儲けていますが、そういうのはメジャーな妖怪だからこそできること。マイナーな妖怪は、地道にコツコツ働くという、普通の生活を送っています。
本作の主人公秋芳くんも、そんなマイナー妖怪の一人。一見するとポヤポヤした美少年の彼は、何でも食べてしまう、『悪食』という妖怪です。食べようと思えば、花だろうと石だろうと、何だって食べてしまえる。
その能力は、彼の営む「アキヨシのなんでも屋」のお仕事でも見事発揮されます。
なにしろものだけでなく、人に害をなす怪異まで食べてしまえるのです。彼にかかれば、いわく付きのものだったり、そこに取り付いているものだって、たちまちのうちに完食。それにより、怪異に困っている人だって大助かりです。
ただし、その食事シーンの見た目がかなり凄くて、心臓の弱い人なら倒れちゃうかもしれませんけど。
そして、個人的に本作のイチオシキャラだと思っているのが、「アキヨシのなんでも屋」従業員の多々良ちゃん。
見た目はおかっぱの女の子で、実は夢を食べる妖怪、獏。そんな彼女は秋芳くんのことをとにかく大好き。彼をボスと呼び、時に甘え、時に世話を焼き、時に恋のライバル的なやつと激しく争う。元気いっぱいで、口を開くたび、大騒ぎするたび、見ている人を楽しくさせてくれるのです。
秋芳くんと多々良ちゃんのやりとりだけでも、ずーっと見ていたいくらいです。
たま〜に重く切ない過去がぶち込まれたりもしますが、基本的にはコメディ。
個性豊かな妖怪たちのドタバタした日常が、面白おかしく描かれます。
現代に近い世界観の、妖怪ファンタジー。
主人公は一見すると女性のような、見目麗しい青年、秋芳。その正体はなんでも食べちゃう妖怪『悪食』です。
彼はもうなんでも食べます。きんつばのような和菓子も食べれば、土だって食べる。そして悪意や怨念といった、良くないものも食べちゃいます。
こんな風に書くと怖いホラーを想像されるかもしれませんけど、登場キャラクターはコミカル。
何でも屋をやっている秋芳の助手で、正体は夢食い獏の元気いっぱいの女の子、多々良。
開かずの金庫を開けるのが大好きな、男装の麗人で天才鍵師の伏木さん。
妖怪絡みの依頼があれば、愉快な仲間達が乗り出して解決。悪いものが出てきたら、秋芳がそいつを食べちゃって解決しちゃいます。
食べ方がちょっとグロテスクですが、慣れればそこも魅力的に見えてくるから不思議です。
そしてイチオシキャラは、夢食い獏の多々良ちゃんです。
秋芳のことが大好きで、彼のことをボスと呼んでちょこまかついてきますけど、秋芳は天然なところがあって、彼女の好意をスルーしまくり。
けど頑張れ多々良、大抵の読者は君を応援してるぞ!
ほのぼのとしていて、だけど心に訴えかけてくるものもある、妖怪物語。
本当にユニークなキャラクターが満載なので、読んでお気に入りのキャラを見つけてみてください。
何でも食べちゃう妖怪の悪食とそんな悪食をボスと呼んで慕い、甲斐甲斐しく世話をしている夢食う雌獏コンビのやりとりが楽しくてかわいい作品。
特に獏の多々良ちゃんが可愛すぎます。
この子がしゃべってるとそれだけで笑えます。褒めてますよ。
もちろん、きゅるるんほんわかな美少年(ある人物には美少女だとしくこく勘違いされている)主人公、悪食の秋芳くんも天使級の可愛らしさなんですが、やっぱりイチオシは多々良ちゃんでしょうね。
秋芳くんはちょっと冷静な天然といいますか、奇声をあげたりするタイプじゃないですから。少々お食事シーンがアグレッシブな真面目くんタイプで、心優しい妖怪さんなのです。
しかし多々良ちゃんは、なんかもういろいろ揃ってます。かわいい、面白い、個性的、恋に一途、姐さんにもなれる、ホラー映画好き、意外と世情に詳しい、マレーバクみたい、とまあてんこ盛り。
そんな素敵可愛い秋芳くんと多々良ちゃんなのですが、過去がまた、どえらいです。まあ、どえらい。なので小さなお子様にはお勧めできませんが、基本ほのぼのゆるゆるキュートなので、ちょっぴり怖い、だって妖怪だもの、が好きな人にはおすすめしたいです。
他にも濃いキャラがいっぱい登場します。というか出てくる人、妖怪、全部面白くて個性的です。今いよいよラストに向かっているところで、衝撃的な事実が発覚しまくりまくりなのです。
わたしはですね、あまりコメントするのが得意ではないのですが、こちらの作品はもう勢いで書きこんでしまいます。あとから「なぜこんな意味不明なコメントを……」と申し訳なるんですが、そこは作者さんの広いお心で許してもらえてるかなって。……かなって。うん。
笑いあり、感動あり、またまた笑いありの本作。オリジナルの妖怪も登場し、細部までこだわって描いてある素敵な作品です。
あやかしは登場しますが、基本的にはコメディベースのお話です。
『アキヨシのなんでも屋』は日常のちょっとした困りごとを対応してくれるお店。
店主は妖怪(悪食:なんでも食べる)。従業員も妖怪(獏:悪夢大好き)。この店に厄介事を持ち込むのは凄腕鍵師(男装の麗人)。
あかずの金庫を開けたり、あかずの間を解決したりするのですが……。
とにかくこの三人(+α)がわちゃわちゃと楽しい!
店主(ボス)大好きな従業員の獏・多々良がいい!
彼女の「室町ジョーク」(2章1-4多々良ブチ切れる)なんてお腹を抱えて笑いました(笑)
だからこそ、ふたりの過去が語られる場面では心にぐっときます。
ぜひぜひ、ご一読を。
ご近所さんの困りごとを解決する何でも屋さん。そこの店主である天使のように可愛い(でも男の子)秋芳君と、秋芳君を「ボス」と呼んで慕う獏の女の子(もちろん可愛い人間バージョンに変化します!)の多々良ちゃん。
「悪食(あくじき)」と呼ばれる何でも食べる妖怪である秋芳君のもとには、男装鍵師の伏木さんから、ときどき風変わりな依頼が持ち込まれます。
それは開かずの金庫の中身を始末するというもの。
さて、今回の開かずの金庫に入っているモノは――?
と、ちょっぴりホラーテイストだったり、時にシリアスが入っていたりするのですけれど、基本はほのぼのです!
個人的に大好きなのは、「あいあい! かしこまりですよ!」と元気いっぱいで秋芳君激LOVEな多々良ちゃんです!( *´艸`)
天然な秋芳君とのやりとりがほっこりします~(*´▽`*)
すぐにお腹がすいちゃう秋芳君のフォローもばっちり! きっと将来はいい奥さんになるに違いありません!( *´艸`)
(種族は違いますけれど)
男装鍵師の伏木さんをはじめ、出てくるキャラクターも個性的な面々で、会話がとっても軽妙です(*´▽`*)
作者様があらすじに書かれている注意を読んで、大丈夫そうな方は、ぜひぜひのぞいてみてください~!(*´▽`*)