なんでも食べる妖怪と個性豊かな仲間たちの、ほっこり日常劇。

妖怪の存在が認められ、人間と共存している世界。
鬼や河童などは、名前やらデザインやらの使用料でかなり儲けていますが、そういうのはメジャーな妖怪だからこそできること。マイナーな妖怪は、地道にコツコツ働くという、普通の生活を送っています。

本作の主人公秋芳くんも、そんなマイナー妖怪の一人。一見するとポヤポヤした美少年の彼は、何でも食べてしまう、『悪食』という妖怪です。食べようと思えば、花だろうと石だろうと、何だって食べてしまえる。
その能力は、彼の営む「アキヨシのなんでも屋」のお仕事でも見事発揮されます。
なにしろものだけでなく、人に害をなす怪異まで食べてしまえるのです。彼にかかれば、いわく付きのものだったり、そこに取り付いているものだって、たちまちのうちに完食。それにより、怪異に困っている人だって大助かりです。
ただし、その食事シーンの見た目がかなり凄くて、心臓の弱い人なら倒れちゃうかもしれませんけど。

そして、個人的に本作のイチオシキャラだと思っているのが、「アキヨシのなんでも屋」従業員の多々良ちゃん。
見た目はおかっぱの女の子で、実は夢を食べる妖怪、獏。そんな彼女は秋芳くんのことをとにかく大好き。彼をボスと呼び、時に甘え、時に世話を焼き、時に恋のライバル的なやつと激しく争う。元気いっぱいで、口を開くたび、大騒ぎするたび、見ている人を楽しくさせてくれるのです。
秋芳くんと多々良ちゃんのやりとりだけでも、ずーっと見ていたいくらいです。

たま〜に重く切ない過去がぶち込まれたりもしますが、基本的にはコメディ。
個性豊かな妖怪たちのドタバタした日常が、面白おかしく描かれます。

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