概要
私が暮らすのは、雨と霧に濡れた魔法使いの塔の国
濡闇ノ国。
膨大な魔力を含んだ雨と霧に包まれた、何でもかんでもすぐカビる場所。
泥濘んだ大地と、水溜りだらけの湿地の中に、まるで墓石のように塔が並び立つ場所。
裁縫師見習いの少女ノノは、今日も魔法使いのご主人一家に仕えつつ、裁縫修行に明け暮れる日々を過ごしていた。
今日も小煩い”親友”がやってくるまでは。
「ねぇ、ノノ。私、自分の塔が欲しいわ」
ほら、今日もまた親友が面倒な事を言い出した。
この国では、魔法使いは夫婦となる時、王様から塔を授かる。新たな魔法使いの血族の門出として。
そして、底無しの沼地だらけのこの地では、泥濘の上に建つ魔法使いの塔こそが、家であり、街だった。
「だから、ね―――…私と家族になりましょう!」
「家族になろうって、ミシェル、あんまりそういうこと妄りに言わな
膨大な魔力を含んだ雨と霧に包まれた、何でもかんでもすぐカビる場所。
泥濘んだ大地と、水溜りだらけの湿地の中に、まるで墓石のように塔が並び立つ場所。
裁縫師見習いの少女ノノは、今日も魔法使いのご主人一家に仕えつつ、裁縫修行に明け暮れる日々を過ごしていた。
今日も小煩い”親友”がやってくるまでは。
「ねぇ、ノノ。私、自分の塔が欲しいわ」
ほら、今日もまた親友が面倒な事を言い出した。
この国では、魔法使いは夫婦となる時、王様から塔を授かる。新たな魔法使いの血族の門出として。
そして、底無しの沼地だらけのこの地では、泥濘の上に建つ魔法使いの塔こそが、家であり、街だった。
「だから、ね―――…私と家族になりましょう!」
「家族になろうって、ミシェル、あんまりそういうこと妄りに言わな
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!仄暗い世界で繰り広げられる色鮮やかな物語
作品情報にある通り、何処かほの暗く陰鬱な雰囲気のある舞台で始まる物語。そこには様々な胸躍るファンタジー要素が織り込まれており、その一つひとつが新鮮でワクワクするもので、読んでいるうちにどんどん物語に引き込まれていくような、魅力的な世界観を作り出しています。そこに暮らすキャラクター達は勿論、この世界特有の生き物がこの世界で人々と共にどうやって暮らしているのかや、登場人物たちの言動から示される、読み手である私達とは違う"この世界の常識"を垣間見て、ああ、この世界ではこれが"常識"なんだ!という異文化を見る感覚も新鮮で面白かったですね…!最初は何処か時間が止まった時の中にいるようだったノノの世界が…続きを読む