概要
その死を晒す、罪人を晒して。
その死体が見つかったのは、兎我野市北部、鳥刻峠キャンプ場だった。
樹齢500年を越えると言われる大銀杏《おおいちょう》の頂に、散り始めた紅葉に混じってその死体はあった。
ぽたり、と赤黒い液体が思い出したように滴る。
目を見開いたまま永遠に動きを止めた被害者は、虚ろに地面を見ていた。
一番上の枝にその頭。
次に胴。
次に腕。
次に脚。
最後に内臓の類。
そう、その身体はバラバラに切り刻まれ、少し気の早いクリスマスツリーのように、大きなイチョウの木に飾り付けられていた。
その死を世間に晒すかのように。
そして、このキャンプ場に宿泊していたただ一人の客、僕こと八頭沼 琴悠は、刑事の橘の事情聴取を受けることになり―――…
樹齢500年を越えると言われる大銀杏《おおいちょう》の頂に、散り始めた紅葉に混じってその死体はあった。
ぽたり、と赤黒い液体が思い出したように滴る。
目を見開いたまま永遠に動きを止めた被害者は、虚ろに地面を見ていた。
一番上の枝にその頭。
次に胴。
次に腕。
次に脚。
最後に内臓の類。
そう、その身体はバラバラに切り刻まれ、少し気の早いクリスマスツリーのように、大きなイチョウの木に飾り付けられていた。
その死を世間に晒すかのように。
そして、このキャンプ場に宿泊していたただ一人の客、僕こと八頭沼 琴悠は、刑事の橘の事情聴取を受けることになり―――…
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