最期まで

 このお話は自殺に関する話です。見たくない方はこの話を飛ばしても大丈夫です。また、自殺を勧めているわけではなく、あくまでも私が経験したことを話しているだけになります。



「死にたい」



 いつしか毎日そう考えていました。


 そして私はついに、自殺の方法について調べるようになりました。


 自殺の方法っていっぱいあると思うんです。というか、ありますよね。

 すみません、あんまりこういう話を詳しく書きたくはないのですが。

 調べなくてもある程度知っていたりしますよね。


 でも、いざ自分が実行しようと思ったらしっかり準備しようと思って、たくさん調べました。


 楽な死に方とか。

 この方法だと生き残ってしまうかも、とか。


 とにかく色々調べました。


 この頃の私の検索履歴はやばかったと思います。

 多分、死ぬことしか調べてなかったかと。


 そうやって死ぬことについてたくさん調べていた中で、ひとつだけ、鮮明に覚えていることがあります。


「誰にも迷惑をかけない自殺の方法」


 私はそれを調べていました。

 線路に飛び込むとかは、すごく多くの人に迷惑がかかるじゃないですか。

 こんな話して本当にすみません。

 私は、最期くらい、誰にも迷惑をかけずに死にたかったんです。


 でも、それについて調べている時にあるサイトに辿り着いて、そこにはこう書いてあったんです。



『死ぬ時まで誰にも迷惑をかけたくない。


 そんな優しい人がなぜ死ななければならないのか』



 この文を見て、自然と涙がこぼれました。

 ボロボロと、たくさん溢れました。


 知らない人が書いたサイトのたった一文を読んで、涙が出たんです。



 私は、初めて自分が肯定してもらえたようで。


 私が、ちゃんと価値のある人間だって言われているようで。


 私に、生きていてほしいって言ってくれているようで。



 死にたくなるほど辛い今が悔しくて。


 私だって、生きたいよ──



 泣きたいだけたくさん泣いて、私はそれ以来、自殺について調べることはやめました。


 あれから何年か経って同じ文を探したんですが、見つからなくて。

 どんなサイトだったとかも全然覚えていません。


 できることなら、あの文章を書いた方に伝えたいです。


 貴方の言葉のおかげで1人の女子高生が自殺をやめて、今も生きていることを。



 自殺のお話をこんなに書いてしまってすみません。


 無責任な言葉に聞こえるかもしれませんが、

 自分でどうしようもできないものにぶち当たって挫けて。

 そうして自ら命を落とさなきゃいけなくなるなんてこと、誰にもあってほしくないです。

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10歳で家出を決意してから21歳に、 みおな @miona_10

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