私の親はおかしい

 食欲がなくなり、睡眠もろくに取れなくなりと、体がおかしくなってきたころ、私はよく体調を崩すようになりました。

 とはいってもそんなに大変なものではなく、ずっと気持ち悪くて動きたくないという感じでした。

 そりゃ、そんな症状も出ますよね。それが普通だと思います。

 私はそれで学校を休む回数が増えました。

 すると私の母は言うんです。


「また!?」


 と、怒りながら。

 第一声がそれです。

 私だって好きで体調を崩しているわけじゃないのに。


 それから私は「体調を崩すことは悪いことなんだ」と歪んだ認識をしてしまいました。

 それは今でもまだ少し残っています。

「体調を崩すことは悪いことじゃない」

 と、たくさんの人に教えられ、何度も何度も自分に言い聞かせながら過ごしています。私が体調を崩しても怒る人がいない今でも。ずっと。


 そして、私が食欲がないことに関しては、


「ダイエットでもしてるの?」


 と、笑うように言ったんです。

  前に書いたと思いますが、正直私の体形は痩せている方です。

 せめて「痩せてるからダイエットしなくていいと思うよ?」とか言ってくれてもよかったのに。

 というか、普通なら「何かあったの?」「食べられない理由あるの?」「嫌いなものがある?」とか、心配してくれていいと思うんです。


 ああ、母は私のことを何もわかろうとしていないんだ。知ろうとしないんだ。

 それとともに、

「なんか、母の感性は普通の人とずれている。おかしい」

 と、思いました。


 そして、父に対しても。


「この人は本当に子供に興味がない。というか、自分が興味あるもの以外は極端に興味を示さない」


 と思いました。

 その証拠に弟のサッカーに対してだけ興味を示し、自分から進んでいろいろしていました。

 父は母から言われた情報しか、子供のことは知りませんでした。

 そして、それだけで正しいか正しくないかを自分の中だけで決めつけ、勝手に説教をしてきました。

 私はずっと座って父からの説教を1、2時間食らうこともありました。


 このころの私はまだ父が正しいと思っていましたが、今の私はそうは思いません。

 父は自分が一番正しいと思いたいだけでした。

 それを私に押し付けているだけでした。

「俺が正しい。俺の言っていることが一番。お前は間違っている。俺の言うことを聞け」

 ずっとそんな無言の圧を受け続けました。


 今の私でも、父の前では怖くて言い返せません。

 父が間違っているとわかっていても言い返せません。

 親に言いたいことが言えないっておかしいと思います。


 私の親は根本的に人としての関係を築くことが不可能な人種でした。

 私はこれが親じゃなくて普通にクラスメイトとかだったら絶対に関わりません。

 親は親としてだけでなく、人間としておかしかったです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る