自分を見つけた高校生
感情を出すことは許されない
高校生になりました。
高校生になってから、私は少し感情に波が出るようになりました。
というか、初めて「怒り」という感情を表に出せるようになったという感じです。
嫌なことがあったら「嫌だ」と、言えるようになりました。
しかしそれはあくまでも家の外でだけで。親に対してそれをすることはありませんでした。
私は家の中でマイナスの感情を出すことを許されませんでした。
何か嫌なことがあったりしてもそれを家で出すことができないのです。
「何その態度」「返事しっかりして」「そういうのやめて」「聞いてるの?」「なんで不機嫌なの」「その顔やめて」「何その声」「しっかりしてよ」「何怒ってんの」
親は毎日笑ったり怒ったり泣いたり騒いだりしてるのに。
親の気に障るような態度は許されませんでした。それどころか、私は親の機嫌を取っていました。
明るくなるように話をしたり、作り笑顔を見せたり。
常に「しっかりとした態度」を求められました。「完璧な娘」を求められました。
私は、親にとって何だったんでしょう。
心配なんてされませんでした。
「今日学校で何か嫌なことあったの?」
小学生のころから一度も、聞かれたことはありません。私の心配なんてしてくれません。
親自身が一番なんです。そのためなら私はいくらでも使われるんです。
どんなに辛くても呼ばれればしっかりと返事をします。
何か頼まれれば他にやりたいことがあってもまず親に言われたことを優先します。
親は自分が頼んだことをやってくれないと怒ります。
呼ばれたことに気づかなくても怒られます。
そんな毎日でした。
これは過去の話ではなく今の時間軸の私のお話なのですが。つい最近、私はある人に自分のこの家族と病気のことについて話しました。
その時、私はとても笑っていました。あまり意識していませんでした。
でも、多分、相手に気を使わせないために笑っていたんです。
「こんなに悲しい話だけど、辛い話だけど、あなたは気にしなくて大丈夫。だってほら、私、笑ってるでしょ?」
そんな意味を込めて笑っていたんだと思います。
その人は、
「今までもそうやってきたんだね、無理して」
そう言いました。
その人には全部ばれてしまいました。
私は感情をうまく使うことを覚えてしまっていました。
そしてそれは今でも、無意識に使ってしまいます。
親にやっていたことが、いつの間にか、ほかの人にもするようになっていました。
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