自分の意見が言えた
小学生の頃の私は、自分の意見というものがありませんでした。
「どっちがいい?」
と言われても、本当に困ってしまうほど、自分の意見というものがありませんでした。
「あれがいい」「これはやだ」
という感情に乏しかったです。
中学生の私は、多分、自分の意見が全くなかったわけではないと思います。
でも、それを言うことはほとんどありませんでした。
我慢していました。
「私の意見なんて必要ない」「言いたくない」「言って否定されたくない」
そんな気持ちでいっぱいでした。
そして高校生。
私は成長しました。
自分の思っていることを、人に言えました。
今までの人任せるだけ、合わせるだけではなくなりました。
人の話を聞いて、それに質問したり、意見を言ったり。間違ったことは間違ってると言ったり。人の意見について自分の意見とすり合わせて考えることもできるようになりました。
私はある程度の自主性を手に入れ、かつ、相手の意見に応じて臨機応変に対応する、ということまでできるようになりました。
もともとが人に合わせるやり方をしていたので、自分の意見ができたからといって、人の意見を聞かないという、自己中心的な考えになることはありませんでした。
私はクラスのリーダー的なものには向いていませんでしたが、仲介だったり、聞き役だったり、誰かの相談を聞いてそれに意見を言ったり。
サブ的な役割ができる人になりました。
物事を冷静に客観的に見て分析できるようにもなりました。
どうやって成長したのか、と言われると、多分なんですが、高校一年生の頃の嫌われ者のおかげだと思うんです。
彼女の言動のおかしいところがだんだん目に付くようになり、それを彼女に言うようになったのがきっかけな気がします。
結局彼女は私の話を聞いてそれを直すようなことはありませんでしたが。
それでも私には「自分の意見が言う」という経験ができたので。
ある意味、彼女には感謝ですね。
彼女の悪いところを指摘し続けていたらいつの間にかほかの人にも自分の意見が言えるようになっていたので。
でももちろん、親には言えませんでした。
親にだけは、やっぱり怖くて無理です。
いまでも、無理です。きっとこの先、ずっと無理です。
でもそれでいいんです。
私が大事なのは親との関係ではありません。
親以外の人と普通に過ごせればいいんです。
今ならばそう言えます。
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