女らしさを見せたくなかった

 少し前に、思春期だとお話したと思います。そこで体も成長してきたと。

 このころに身長が今とほぼ同じになりました。だいたい159センチです。

 胸は正直大きくありませんが、まあ、あることはわかるくらいです。

 体重も今とほとんど変わっていないです。ストレスで多少の増減はありましたが。

 女子ならこの時期に成長期が来ることは多いですよね。

 周りの男子より身長は大きかったし、生理が来たのも2年生だったと思います。


 自分の性別について違和感を持ったとか、男になりたかったとか、女であることが嫌だったとかではなく、ただ親の前で女でいることを見せたくありませんでした。

 正直、今もその感覚は少し残っています。


 私は女であることが「弱い」ことであると思っていました。

 親に弱点をさらけ出しているような、そんな気がしていました。

 体つきもそうですし、しゃべり方も、しぐさも、女っぽさを見せたくありませんでした。

 でももちろん、それは親の前でだけで、外では普通に女の子でした。

 少しだとしても女っぽい体だと思われたくなくて、背中を丸めて、胸を隠しました。

 しゃべり方は少し低い声で、絶対に親の前で「私」なんていう女っぽい一人称は使いませんでした。

 しぐさに関してはどんな意識をしていたかちょっと忘れましたが……

 とにかく、家にいる間はできる限り自分が女である証拠を消していました。そうやって弱みを消している、という感じで、でもそれはやっぱり男になりたいという感覚ではありませんでした。

 女っぽさを消すということは必然的にその反対である男っぽくなるというだけでした。


 今でもやっぱり親に女であることはあまり強調したくありません。

 でも私はほかでは普通の女です。

 ある程度かわいいものは好きです。メイクはあんまりしません。それでもおしゃれはそこそこしたいです。お金があればもっと服を買いたいです。スカートもはきます。かわいい女の人がいれば私もこんな風になりたいと考えたりします。

 本当に、普通の女です。


 自分がなぜ女であることが弱いことだと考えたのかはわかりません。

 親の前で強くいようとした気持ちはわかります。

 母より父のほうが強かったから女は弱いと思ったのでしょうか?

 一般的に「強さ」という言葉だけで言われたら男のほうが強そうだからでしょうか?

 正直、今考えても、自分の中で納得のいくものはありません。

 これは今後も考えていこうと思います。

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