幸せのために
このお話は残酷な内容があります。そのようなことを助長するわけではありません。私があったことをありのまま書くだけです。
どんどんどんどん、私がぼろぼろになっていきました。
それが、ここまで読んでわかると思います。
そして私はとうとう、とんでもないことを考えます。
「いっそ、親を殺してしまおうか」
限界でした。
毎日耐えて、耐えて耐えて。
もうこのままでは生きていけませんでした。
だから、私を苦しめる親を殺そうと考えました。
親さえいなければ私は幸せになれると、そう思いました。
でも、私は殺しませんでした。
自分でこんなことをいうのはあれですが、私って本当に理性的なんですよね。感情だけで動こうとしなくて、しっかり客観的に物事を見て考えることができるんです。
「親を殺した後私はどうなるんだ?」
そう考えました。
まず、いつ、どうやって殺す?
夜中寝静まった後? 包丁? どっちからやる? 母は大丈夫だろうけど、父に反撃されたらどうしよう?
殺した後は?
犯人は? 包丁に指紋が残らないようにしたとしても私が犯人だとばれるんだろうか? 家の鍵でも開けとけば知らない人の犯行に見えるかな? 妹と弟はどうしよう?
いろいろなことを想定して考えました。
そして私の中で一つの結論が出ました。
「あんなクズのために刑務所に行くことになるなんてばかばかしい」
そうして私は親を殺すことをやめました。
私の中で、殺してしまうことは簡単でした。
でも、それで私が刑務所に行くことになったら?
詳しいことはわからないですが……
何年も檻の中なんですかね。前科が付くんですかね。
未成年だとどうなのかとか、全くわかりませんが、私はどっちも想像しました。
そして、あんなクズを殺して、自分が牢屋に行って、経歴に傷がついて。
そんなことをするのはもったいないと思いました。大っ嫌いな親のために刑務所に行くなんてこと絶対にしないと誓いました。
「お前に割く人生がもったいねえ!」
ってことです!
まあ、もう充分割いちゃってるんですけどね。
それだけ、私は親を見下すことにしました。
私はこれが原因で自分の子供を産むのが怖いです。
もちろん、私は絶対に子供を大事にします。その努力をします。
でも、もしかしたら気づかないところで「親を殺したい」なんて思われていて、本当に自分の子供に殺されたらいやだな、なんてぶっ飛んだことを考えてしまうんです。
こんなこと、私以外に思っている人いますかね……?
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