マスターシーン:回収任務

GM:まずはこちらのマスターシーンからだ。伏線マシマシなので見ていて欲しい。

ハイド:ほう、マスターシーンか。これは見ものだな。



 前回の逃亡劇から翌日、夜明けと共に始発列車へと乗り込んだオディウスは統制機関と通信を行なっていた。

 人払いをしてあるのか周囲に人影は無い。


管理者オーソリティ:「オディウス。お前に改めて“アークレコーダー”回収の任務を与える。なんとしても早期奪還せよ」


 神経質な管理者の声に答えたのは陽気な声……オディウスだ。


オディウス:「なんとしても、ねぇ。そんなにあの人形が大事かい?」

管理者:「……お前は一度失敗している身だ。二度目は無い」

オディウス:「カリカリすんなって、また老けちまうぜ? ま、言いたい事も分かる。さっさと回収しないと困るもんなぁ?」

管理者:「そうだ。事は一刻を争う。アレに記録された内容を上書きされる訳にはいかない」

オディウス:「へいへい。ま、重大さが分からない程、愚かでもないさ」


 その返答に僅かばかりの沈黙で返した管理者は、話題を変えた。


管理者:「ローレル……“No.Rアール”の再調整は私自らが行なう。追加戦力として役立つだろう」

オディウス:「あの侵入者二人はどうするんだ。潜伏してる“つもり”のようだが、まさか放置する訳ないよなぁ?」

管理者:「潜伏場所は掴めている。仕方がないが、私が出向くよりあるまい」

オディウス:「そりゃいい! “昔話”に花でも咲かせればいいさ。ま、どうせまた平行線だろうけどな!」

管理者:「無駄話が過ぎる。以上で通信を終了する」


 陽気にわらうオディウスを咎めるように、管理者は通信を切った。

 それまでの様子が嘘のように興味が失せた顔で、オディウスは通信機を見やる。


オディウス:「事は一刻を争う、か。それ程までにあの“小娘”が大事と見える。だが心配する必要は無い。“不要な物”は処分するとしよう」


 おもむろに消音機能の付いた銃を取り出し、天井に発砲。放たれた一発の弾丸が、屋根越しに通信を傍受していたオーヴァードの脳を破壊する。


オディウス:「さて。こちらも動き出すとしよう……ゆっくりと、な」

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