幕間2:でもこれRPGだねー!

だみ:戦闘プラン、ミスった……!


 私は先程のシーンが終わると、頭を切り替えるべく小休憩を提案した。


えるみん:あの引き寄せってなんで戦闘プランに組み込まれてたのー?

だみ:直球で聞いてくるね……あれは”チラ見せ”を兼ねるつもりだったんだよ。

えるみん:チラ見せー?

だみ:ああ。ローレルとの決着は、さっきの戦闘では付いてないんだけどさ。それを──

えるみん:今後のシナリオで決着付けるんだ!


 被せられてしまったが、そういう事だ。今回はアイリスが頑張ってくれたからなんとかなったが、引き寄せを使うとハイドの戦闘スタイルに刺さり過ぎる。


えるみん:でもこれRPGだねー!

だみ:……え、いやTRPGだけど。

えるみん:ふっふっふ、違うのだよー!


 そう言い切ってドヤ顔を浮かべてくる。なんだ……何が言いたいんだ──いや、冷静になれ私。この女だってTRPGやってる事は分かってる筈だ。それを前提に考えるんだ。


だみ:さっきまで戦闘の話をしていたから、多分そのRPGってのも戦闘について言ってるんだよな?

えるみん:うんー。当然じゃん?

だみ:……。もしかして、RPGにありがちな敵味方の相性について言ってるのか。

 相性とか属性によって戦闘の有利不利が変わって来る……とか、そういうやつ。

 だとすれば、ハイドに不利が付く相手も、アイリスに有利が付けば良いって事か?

えるみん:そういう事なのだ。だって二人は共犯者なんだよー!


 共犯者。捕まる時は一緒だろうし、なんなら勝つ時も一緒にいるだろう。だからこそ、片方に不利が付いても、もう一方がカバーしてくれる。

 そんな考えに至った時、ふと、私は穏やかな笑みを浮かべていた。


だみ:……なるほどな。それなら今後のエネミー方針も決まっていく。

 助かったわ、ありがとう。

えるみん:そんなのいいから続きしよー?

だみ:そうだな。私も続きが見たいからな、GM頑張るかぁ!


 気合を入れ直した私はパソコンの前に腰を据え直す。

 休憩は終わりだ。次のシーンは、とことんエモくしてやるぞ!

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