クライマックス後編:ラストチャンス
クリンナップを経て、ラウンド2が始まる。だがその前にアナウンスだ。
GM:RDロイスをタイタス化した彼女は、元々のロイスが少ない事もあり、このラウンド2のクリンナップが終了した時点でジャーム化する。そして同時に宣言するEロイス《予告された終焉》によって現在の戦闘フィールドである陸橋は破壊され、列車が運行しなくなる。
これを防ぐには、このラウンドのクリンナップが終了するまでにローレルを戦闘不能にすれば良い。
ハイド:このラウンドが勝負所か。
GM:うむ。そしてローレルの残りHPは71点。復活リソースは無い。だが全力が望ましいと提言しておこう。またジャーム目前という事もあり、ラウンド2に入ると同時にバッドステータス:暴走が付与される。
アイリス:……なるほどね。なら全力で倒そうか!
ハイド:だね。出し惜しみは出来ない!
GM:では改めて……ラウンド2、セットアップ!
ローレル:セットアップで《小さき魔眼》:ラウンド間、バロールのエフェクトを用いた攻撃力+10。
GM:イニシアチブ、ハイド・バレンウォート!
ハイド:OK、行くぞ!
【ハイディング】:《陽炎の衣》:マイナー:〈-〉:自動成功:自身:至近:侵蝕3:メインプロセス終了時まで隠密状態となる。
隠密化してローレルに攻撃だ。
【ファントムバレット】:《コンセントレイト:ノイマン》《マルチウェポン》:メジャー:〈射撃〉:対決:単体:15m:侵蝕5:攻撃力20+4D
ハイドが叩き出したダメージは54点。だが……
ローレル:《斥力障壁》を宣言! ダメージを30点まで軽減する。
アイリス:残り41点か。《ひらめきの盾》も残ってるだろうし、うん。これは頑張らなきゃ。
ハイド:「後詰めは頼むぜ、アイリス。お前の攻撃は、俺が絶対に当てさせる。遠慮なく叩き込め」
言葉を残して再び姿を消す。レーザーと実弾の弾速の違いでローレルを翻弄する。
GM:次が最後の攻撃になるだろう。
イニシアチブ──アイリス!
アイリス:……マイナーで戦闘移動、ローレルに接敵。
【アークライズ】:《コンセントレイト:オルクス》《ディストーション》《背教者の王》《原初の白:マシラのごとく》《パーフェクトイミテイト》:メジャー:〈白兵〉:対決:単体:至近:侵蝕18:攻撃力58+[自身の侵蝕率÷10]
そして……ここでアイリスのRDロイス『
アイリス専用RDロイス『■■■■”■■■■■”』→『薄桜の命”フラジール”』
効果:
オートで宣言することで、以下の効果を得ることができる。
そのラウンド中、あなたの取得している全てのエフェクトのレベルを+3する。この時最大レベルを超えても良いものとする。
ラウンド間はエフェクトの使用回数も変化する。
この効果は1シナリオに1回のみ使用できる。使用した場合、そのラウンドのクリンナッププロセス時に■■■■■■■■となる。
RDロイスを取得することで、FH専用データを使用できる。
概要:
あなたが■■■■■■■ために■■を持たず、■■■■■■■■■■ことを表すDロイス。
それ故に、■■■■■■で能力を底上げすることができるのだ。
フラジールは”脆い”という意味の英語だ。
これにより、ラウンド間のエフェクトレベルが全て+3され、使用可能回数も上昇する。《パーフェクトイミテイト》の効果と累計する事で!
ハイド:《原初の白:マシラのごとく》……レベル7 !?
アイリス:これで攻撃力固定値は101点だ。
GM:OKだ。判定、どうぞ!
アイリス:達成値……41。ダメージは──!
アイリスは、ハイドが攻撃を行なっている間も一切動かず、ひたすらに力を蓄えていた。蓄積されたレネゲイドによって、背後に構成された翼は徐々に光を増してゆく。
再び姿を現わしたハイドへ、彼女は静かに語り掛けた。
アイリス:「……了解した。君のお手並み拝見と同時に、お言葉に甘えるとするよ。ただ、そうだね……君自身が吹き飛ばされないよう、注意しておいてくれ。下手に動くと怪我をさせてしまいかねない」
ハイド:「自分の面倒は自分で見る。思いっきり行って来い」
少年は何かを企んでいる顔で笑いかける。
少女もまた、それに笑顔と言葉で応じた。
アイリス:「ふふっ、それじゃあ頼んだよ。私は、君を信頼しているから」
ここで、ハイドへのロイス感情を信頼と隔意に変更する。ポジティブが表だ。
人間とレネゲイドビーイングな君と私だけど、アイリスという私は君を”信頼”しようと思う。いや、そうしたいと想えたんだ。
だからこそ、逃避行の最初の一歩を邪魔される訳にはいかない。外の世界に想いを馳せた時間と、ここまでの短い時間で
それら全てを、この一閃に込めよう。
私の全部を賭けて、
翼の光は臨界に達そうとしている。昼間と錯覚させる程の眩さが周囲を包み込み、誰もが思わず目を瞑ってしまいそうになる。だがそんな一瞬を、少年は決して見逃さない。
ハイド:「アイリス。俺ももう一枚、カードを切る。だから──
──”真っ直ぐ進め。それだけで良い”」
短く、確信に満ちた言葉が、少女の背中を押した。
アイリス:「ありがとう……レネゲイド指数の臨界を確認」
言葉を紡ぎ終えた瞬間、アイリスの翼は彼女自身を包み込む。一際眩い光が輝くと、
「──
彼女の姿は変貌した。全身は新たに生成された装甲に覆われ、背中の翼は紫の睡蓮を連想させる八枚の花弁へと。
アイリス:「君のそれと同じように、私のこれも相当の負荷が生じる。
……一撃だ。一撃で君を終わらせる。全力で抵抗すると良いさ、
互いの視線が交差する。決して退けぬ対立。そして狭い一本道の戦闘エリア。
避ける事は不可能だ。ローレルが全力で受け止め、押し切ればアイリスの勝利となる。
アイリス:「……──
決して上手い一撃では無い。だが回避不可能な程のレネゲイドの奔流が少女と共にソニックブームのようにローレルへと襲い掛かる!
ローレル:「凄まじい一撃だ。だが……単純過ぎる機動だ、読むのは容易い!」
彼女の大剣は、確実にアイリスの剣閃を相殺する軌道で振るわれた。しかし、剣戟の刹那──”アイリスの姿が、
光の屈折率を操作し、少女の現在位置を誤認させていたのだ。それこそが、光の中でハイドが切ったもう一枚のカード──アイリス自身を歪の剣とする切り札だ。
アイリス:「はぁぁぁあああッ!!!」
最初は、遥か高い壁だった。彼女のスコアを越えられる日など来ないだろうとさえ思考した時もあった。
ローレルがただの一度で残したその記録を、アイリスは何千何万と挑み続け──そしてある日、それを打ち破った。
別に、最初から剣を扱っていた訳では無かった。しかし、何故アイリスは剣でスコアに挑み続けたのか。
この一瞬、この刹那だけで良い。彼女の
ローレル:「……私は。私はッ! 斃れる訳にはいかない。
「──
重すぎる大剣を、直前で歪んだ彼女の剣へそれでも無理矢理に──見事に、合わせて見せた。
だがその大剣は彼女の剣に触れると同時に──心の強さか、あるいは絆の強さか──まるで彼女自身の心と呼応するかのように砕け……小さな破片が花弁のように舞い散った。
アイリスとローレル。瞬きの刹那ですれ違った二人。息も絶え絶えに、地面へ剣を突くアイリス。姿も元へと戻ってしまっていた。
しかし、その一閃は確かに──
アイリス:「……獲った。私の、勝ちだ」
ローレル:「……ああ。私の──敗北だ」
遥か高みの壁だった
アイリス:ダメージは──130点だ。
GM:《ひらめきの盾》で10点軽減。更に!
《ディフレクション》で50点軽減し……。
ローレル:最終ダメージ、70点……戦闘不能。
アイリスとハイドの、勝利だ。
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