第5話 検証生活魔法

 一人になった俺はステータスや能力の検証作業を行う事にした。


     *     *


・名前/タロー ヤマダ

・種族/人間

・年齢/16

・職業/未定Lv.1

・生命力 6/6

・攻撃力 8/8

・防御力 5/5

・魔力 3/3


ーースキル


・生活魔法


ーーエクストラスキル


・アイテムボックスLv.1


     *     *


 改めて見ても、ため息が出るほどの低レベル。でも今は気を取り直して魔法スキルを試してみよう。初めての魔法なので、やはりワクワクします。


 唯一の魔法スキル、生活魔法。とりあえずクリーンをかけます。2週間位ポケットに入れていたハンカチがありました。シワシワです。


「クリーン」


 おお。シワは変わらないけど、臭いが無くなりました。パチパチパチ。


 初めての魔法だったので、少し感動した。次はライトだ。


「ライト」


 うん、明るくなった。室内がまだ明るかったので、よく分からなかったが確かに光った。仄かだ。もう、いいや。


 さすが生活魔法、面白味が微塵もありません。


 次はちょっと期待を込めてアイテムボックスLv.1。


 アイテムボックスにクリーンしたばかりのシワシワハンカチを入れます。入りました。出しました。入りました。飽きました。


 容量はどうでしょう。枕は、……大きすぎですか。ペンとかも入れます。部屋にあった小さな小物も次々入れてみます。あっ、もう入りません。


 一般的なセカンドバック位の容量ですかね。財布とか鍵入れに丁度です。レベルが上がれば容量も増える事に期待しましょう。でも、どうすればレベルが上がるのだろうか?


 アイテムボックスも思ったよりショボかったので、もう飽きました。


 問題は、この職業/未定……だよな。どうすれば職業につけるんだろう。


 試しに、ステータス画面を触ってみた。


「おっ、触れるんだ!」


 職業/未定にタッチ。ピロリン。


「なんか、出ました」


     *     *


・職業/未定─┐

  ご自分で記載してください


     *     *


「キキタタタター。こ、これは……チートの予感。まさかの俺TUEEEかも?」


 はぁ~。そうじゃないかと思ってたんだよぉ~!


 思いっきり安堵している俺。なんかホッとして逆にどっと疲れてきた、でもちゃんと検証しなければ!


 コンコン。


 入口の方からです。良いところで、邪魔すんじゃねー!


 扉の外から、小さな声で……。


「入っても、いいかしら?」


 あっ、ぜんぜん大丈夫です。御手洗会長だと、すぐに分かった。俺が「どうぞ」と返事する前にスッと扉が開き、御手洗会長は身体を半身にしてスルリと入室。


 俺は心臓の鼓動を感じた。

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