第4話 ステータス2

 最後に俺のステータス。……出すの嫌だなあ。


 いやいやなので人差し指だけペト!


 あっ、出ました。指1本でも良いんですね!


     *     *


・名前/タロー ヤマダ

・種族/人間

・年齢/16

・職業/未定Lv.1

・生命力 6/6

・攻撃力 8/8

・防御力 5/5

・魔力 3/3


ーースキル


・生活魔法


ーーエクストラスキル


・アイテムボックスLv.1


     *     *


 とうとう公表されてしまった俺の本名。……ハァ。何故、真名が出ないんだろう?!


 俺のステータスを見た神官達がザワザワと騒ぎ出した。む、俺の現世うつしよの名に気づいたか?!


「どういう事だ。未定など聞いたこともないぞ……しかも、なんだこの数値の低さは……」


 そうですね。そこですよね!


 御手洗会長も、この低ステータスは想定外だったようだ。俺を見て申し訳なさそうな顔をしている。


「……」


 この御手洗聖子にして、言葉も出ないようである。


「会長、心配しないでください。これは、きっと成り上がりパターンです」


 大丈夫アピールをする俺の目頭は、ちょっと涙目。同情するなら真名をくれ!


「そ、そうよね。何か兆候があったら、すぐ私に知らせるのよ!」


 思い切り同情されてしまっている。成り上がりパターン。そう信じるしかない!


 測定が終わったので王様の謁見となった。なんだか俺の扱いが、かなり雑になった気がする。成り上がるまでの辛抱と耐えるのだ、俺!


 それから、かなりの距離を移動させられて謁見の間に着いた。


 ここは、王城だったんだな。王様は、金髪碧眼の初老のイケメンだ。


 謁見室に来るまでに軽くレクチャーを受けていたので、特に不敬な事もなかったと思う。王様はろくに俺達を見ないで隣の側近か大臣みたいな人とボソボソ話している。


「どれくらいで使えそうか?」


と、王様。すると恰幅の良いオッチャンが……。


「3ヶ月か、遅くとも半年には」


「費用もかかる。出来るだけ早く使えるように」


「御意」


 おい、聞こえてるぞ!


 俺と御手洗会長は、顔を見合わせて『こいつら信用出来ねー』と声なき視線を交わした。


 それでも、王室主催の晩餐会が開かれてソコソコ大勢の貴族達が集まって俺達を紹介した。


 全く顔と名前が覚えられなかったが、一応国の名前がブランコ王国。王様がシーソー王という名前だけは記憶出来た。やけに覚えやすい名だ。


 お姫様もいたんだか、御手洗会長の方が遥に美人なので、全く記憶に残ってない。


 もっともお姫様、勇者カタギリに夢中だったから俺の事も覚えてないだろう。お互い様だ。


 俺達が疲れたと訴えたこともあり、晩餐会は早々に退席させてもらえた。


 部屋に案内される前に、お付きのメイドを紹介された。


 俺の担当はマリヤさん。勇者の担当という事で緊張していて、ちょっと可愛い。


 並びの部屋で一人一部屋。かなり広い部屋に高価そうな家具調度。寝室は別室になっていたから、かなりの好待遇だ。


「明日の起床時間は6時でございます。朝食後にバーンハイム子爵様から、お話しがあると聞いております」


「誰、バーンハイム子爵さんって?」


「勇者さま方の、ご指導をされる方でございます」


 噛まないように頑張って説明をしてくれた。ちょっと好きになりそう。


「では明朝6時に食事を持って参ります」と言ってマリヤさんはペコリパタパタと退去した。


 そうかそうか、やっぱり帰るんだ。

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