第18話 砦と初陣
翌朝、実践訓練になりました。
昨日のコボルト討伐があったので、今更ですが、ぶっちゃけ俺のためですね。俺たちの最大の目的は、俺のレベリングですから。大きな声では言えませんが!
ここは、砦内にある野外訓練場。闘牛場みたいな場所です。騎士さん達や兵隊さんが見物に来てます。御手洗会長の従者を首になった分隊長が、羨ましそうな顔をしてますね。
* *
「やっぱりゴブリンね。コボルトも良いけど、ここはゴブリンよね」
全面的に賛成です。
「我ら『生徒会48』の初陣よ!」
こういうの初陣って言います?それに改めて思いますが、3人なのに
* *
戦闘開始。
ゴブリンが1匹、放たれました。グギャゲギャ、グギャゲギャ。
前衛が勇者カタギリ。
御手洗会長、勇者の後ろでハルバート立てて、腕組み仁王立ち。頼もしいです。そして俺は聖女ミタライの従者だ。ヒャホーイ!
チラッと分隊長をみてやりました。
あっ。御手洗会長、前に出ようとしないで下さい。
「そろそろ、いきますか」
「ふん、おやりなさい」
片桐先輩の呑気な、かけ声で初陣が始まりました。まるで緊張がありません。
聖剣を肩に担ぐように、袈裟懸けにゆっくりと…。
「ヨッコラ……」
「……ショ!」遠間からゴブリンめがけて一振り。
暫擊一閃。ゴブリン真っ二つ。
はい、終わりました。グロいので詳細は省かせていただきます。
次は、3匹。これも一瞬でした。
ピロリロリン! おっと、レベルが上がったみたいです。
こっそり、ステータスオープン。おっ。3つも上がってました。ゴブリン4匹しか倒してないのに! 3人で分けているはずなのに! 職業未定ってレベルの上がりが早いのでしょうか?
* *
・名前/タロー ヤマダ
・種族/人間
・年齢/16
・職業/未定Lv.4(1→4)
・生命力 6/9(6→9)
・攻撃力 8/12(8→12)
・防御力 5/7(5→7)
・魔力 3/4(3→4)
* *
「異議あり! 3つも上がって、これか! これだけか!!」
期待外れです。もっとドドーンと上がるのかと思いました。レベル2から突き抜けないのですね。秘かに期待してたのに。
指導員役の騎士さん達、ゴブリンでは訓練にならないと悟ったようで、早々に次の魔物を用意しました。
オークです。
「そうね。ゴブリンの次といえば、これよね」
全面的に賛成です。……だから前に出ようとしないで下さい。
* *
オーク登場、最初は1匹。
勇者カタギリ、これに大層ご立腹!
「忌まわしき、
あれ? 片桐先輩、こんなキャラでしたっけ! 授かってもないし、女神でもないんでですけど……。
バーン!!
聖剣一閃。オーク真っ二つ! そうでしょうね。
俺と御手洗会長がジト目で見ると、我に返った勇者カタギリ、必死の言い訳。
「違います。これはそう、会長達のおっしゃるテンプレというやつです。僕も真似して言ってみただけなんです」
ダラダラ。
「「中二かっ!」」
* *
それから、オーク2匹。続いて5匹。全て片桐先輩が瞬殺でした。
魔物のストックがなくなり、訓練が終了しました。次はオーガを用意するつもりとの事ですが、さすがに直ぐには無理なので、しばらく魔物の訓練はないそうです。
「私は何もしてないわ」
御手洗会長がプーっと頬を膨らませてます。(可愛い!)
「次回は、タロー。貴方が先頭にお立ちなさい。怪我をしたら私が回復してあげるわ!」
次はオーガって言ってましたよね。回復する前に死んじゃいます。
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