やはり俺にはタイムマシーンはいらない。



 「おはよ」

 「おはようー仁」

おはようから日常は始まる。

 ほんわかとした声に包まれながらも、長くなったインナーの上に学ランを羽織り、頭を使い過ぎた先週のテストを思い出した………………聞かないでくれよ。生徒会長選の結果と共に。

 まぁ結果はその通り、落選してしまった。…………………。

 今日はあれから2週間日たった今日は月曜日

 10月も終わりに近づいてきて、やっと気づいたことがある。

 それはあの空間だけに幸せはあるのではないということ。

 幸福というのは掴んでしまっては放しがたい。

 いつか俺はそう説いた。確かに永遠というものはなく自然の摂理として散り舞ってしまうというのは事実だ。

 でも……掴んだまま幸せは形を変えることができるのではないか。一緒に造り上げていたからこそ。また形を変えて、また再び…………。

 「ぶbbbbbbbbb」

LINEの通知がバイブとして鳴り響く。その音は、俺の太ももを振動させ、幸せにする。


最後に。


神様、もしもいるなら聞いてください。いなくても自己満足でもなんでもいいから。

 俺は最初、タイムマシーンなんていらない。何処にも戻る場所はないから……っと呟きました。

 そしてあの幸せを知った後、あの時に戻れたなら……っと考えてしまいました。

 でも、また、わがままが通るなら………。

やっぱりタイムマシーンなんていらない。今日も楽しくて、明日も幸せで、


 繰り返される同じ日常が、幸せだから!

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日常とは同じ月日を繰り返すから日常である。 ワン @wannichijo

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