生徒会(候補)記録簿3

 おやようございます、おやすみなさい。

 なんか最近本当に終わりきるのかっと思っている今日この頃でございます。それもその筈…………。


 『まとまんないよ!』


響き渡る教室には、伊良湖、羽豆、俺の三人の悲鳴が上がっていた。

 今日はパラパラと雨降る月曜日。生徒会選挙まで25日。

 くだらない公約ばかり浮かんでは否定しあい、そんなこんなでもう5時。

 今日はヤリチン、眼鏡が居ないので余分なことを気にしずにできると思ったのだよ……。まあ結果としてはノーと言ってもよい。本来なら今日で公約を決めて次に進める予定だったのだがもう狂いそう。

 頑張らないと。つくづくそう思う。けど働きたくないこの気持ち。ほんと、働きたくないよ……。


 「それじゃ仁、何かいい公約はある?」

 「そうだなぁ………………」


なんとしても眠い!眠すぎる、これは沼だ。ディスカバリーチャンネルの如く流砂から抜けたしてもまたディスカバリーチャンネルが沼にはめてくる。なあのYouTube史上最も高度なやってみたをもう閲覧しただろうか?ウシガエル食べてみた、とりあえず虫食べてみた、毒蛇食べてみた、etc……。タンパク質求めすぎなんだよ!

 っとディスカバリーチャンネルのYouTubeを見たことのない人にしか分からないパロディーは置いておいて早く公約を探さなきゃ。

 っといっても眠すぎてなんも出てこない。お昼寝したい。お昼寝したい。お昼寝したい。…………。


 「ほあ~。昼寝とかいいんじゃないか?眠たいし」

 「なんで君の欲求を満たすために私たちが行動しなくちゃならないの……」

 「なんで少し意味深なんだよ。「君の欲求を満たす」…………じゃねえよ!」


ほんのり羽豆が赤面したと思ったらいつもの軽蔑。何このデジャブ。どんだけネタ切れなんだよ……。

 っと羽豆は艶やかな黒髪をサラッと掻き上げると、自らの私見を述べていった。


 「えっ、ゴホン。なんで切り抜くのかしらそこを。だから近頃の佐ゴミは……」

 「なんでマスゴミ風に俺を貶してくるんだよ!しかもチョイス。マスゴミの「マス」と佐々木の「笹」をかけてマス寿司みたいになってるし!あとサケだけだよ……。ほんとに……」

 「あれじゃない仁?咲が仁を「サケ」るってところもかけてじゃない」

 「あ――って素直に納得しちゃったし。うまいよ!うますぎるよ!」

 「確かにますずしは美味しいよね」


っと伊良湖は発す。何俺?ますずしの呪いでもかかってるの?美味しいのが憎めないところだよ。ほんとは不味くなってくれ……。

 っと一通り眠気が冷めたところで伊良湖は「ハっ」っと目を開けると少し顎に手を付けながら言挙げする。


 「あ~あ眠い……じゃなくて昼寝いいんじゃない?」

 「みなみまで……」

 「じゃなくてさっ、ほら」


おもむろにGalaxy Z Flipっという名の最近話題の折り畳みスマホをパカッとさせ、いじりだした伊良湖。

 マニアックかよ……っと一般人なら突っ込むところだろうがこの程度ではガジェオタさんに怒られてしまうのでやめておこう。すぐiPhone対android戦争が始まるし。

 それを持ち、伊良湖はスマホ前で微笑むと、少し盛り上がった画面を見せ説明する。


 「ほらっ。見て咲。このデータ。昼寝を昼食後15分すると勉強の成績が上がっるていうデータがあるよ」

 「そうね……やっとそれっぽいやつが見つかったよ」

 「そうだな」

 「仁、さすがだよ!まさか最近のニュースにまで敏感だとはね。敏感なのはあれだけだと思ってたよ」

 「あれとなんだ?別室で詳しく聞こうではないか」

 「君、辞めな、きもいよ」

 「え、あれってガジェットなんだけど……」


はあ調子に乗らなきゃよかったよ。結局変な雰囲気でそろそろ時間だ。俺は大した落ちも作れずクッションに亀裂が入った椅子から立ち上がる。

  

 という事で今日はここにやっと記すことができるな。


 生徒会長選挙公約。


1 エクストリーム目安箱。

2 昼食の昼寝。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る