佐々木仁は全てを忘れ正直に楽しむ。2
「文化祭は⁈」
まだまだ続く公約探し。はぁもう一週間以上経ってるよぉ……。
湿った、どんよりとしたコンクリート香る今日は金曜日。あと生徒会選挙まで21日。
俺ら、超平和バスターズ……ではなく、伊良湖率いる生徒会候補組はついに一線の光をつかんだ気がしてきた。
『文化祭?』
っと思いたかったよぉ―――――。ごめんさっさと終わらせた過ぎて現実逃避していた。
俺含め全員が首を傾げる事態。だってよ、俺ら全員世間一般的に言う陰キャらってやつだぜ。今日はヤリチン不在のため純度はハイボールよりもウォッカよりも高い。しかも学校のレビューみたか?男子は8割がた陰キャって言われてしまうレベル(2回目)。まぁそれも8割がた俺らの責任なんですけどね。
「却下だ。それじゃこの陰キャ学校では同意は得られない」
眼鏡のドスが聞いたサブウーファーの様な声。
その声に俺は「確かに」っと首を縦に振る。
「それは仁含め男子だけじゃん!女子はみんな陽キャラだよ!」
「なんで俺だけ名指し……。しかも自分を陽に入れちゃってさっ!」
何伊良湖さん調子の乗り具合が鯉上り急ですよ。まあいつもの如く、最後は納得してしまうので反論はできないのですけどね!はぁ。もうIQだけで話してる気がする。もうちょっとツッコミの性能欲しい。
っと俺がラノベ主人公になるための心得を復唱した刹那、伊良湖が更に純粋な調子のりのりで俺の俺の顔を見、言葉を発す。
「女子み―――んな陽キャラだったら影はできないもーん」
「光ある所に影はできるのが世の必定。光が女子なら…………。分かったね君」
「っで仁のところに全ての影が凝縮すると。実に分かりやすいな」
「なんで俺が名指しなんだよ!特に眼鏡!確かにいつもの如く的は射ているから反論できないけどね!」
『やっぱり』
一斉攻撃が俺を襲う。なんで眼鏡まで参加してるのですかね?
はぁ。やっぱり先ほども申した通り、俺はツッコミIQが著しく低いようだ。まあだからってTwitterにいるようないい年こいた上げ足取りにはなりたくないがな。
っとなんか上げ足って政治家みたいだな~っと思っていた時、眼鏡は鏡面仕上げされたような眼鏡をカシャリとさせると何処かに向かって話し出した。
「断固拒否だ。というか女子は固定票が多いのじゃないのか?男子は流動的に票が動くから入りやすい」
「まぁそれはほかの学校に限った話だがな。碧海高校は総合科だから女子が異様に多い。よって男子は少ないからな」
「お前はどっちの味方なんだ」
「なんで少しムッとするんだよ!可愛くないよ!」
まぁこいつからしたら文化祭、前に出ることを極力避けたいのだろう。活性化させるというのなら俺達も多少なり前に出てみなければいけないし。まぁ俺はいいのだが……ってやだな。「誰あれ?」ってちゃ困る。ボッチなら現実であり得ちゃうことを最近知った今日この頃です。
そんな脳内活動をしているとたん羽豆は何かを思い出たしようにはっと顔を上げると即座に話題を取りあげた。
「というか、まず根幹として高校の文化祭って何やるの?」
俺らには若さがあり余り過ぎた………っといえば何かそれっぽいのだが、碧海高校では11月の下旬、期末テスト後に文化祭がある。なので1年生である俺等には高校レベルの文化祭を経験したことないのであった。これは困った。
『俺ら(私たち)には若さがあり余り過ぎたのか…………』
一斉に4人、物さみし気に呟く。
そう俺らが平等になくなる才能はある、それは若さだといつかの漫画で見た気がするが、でも、経験というのは不公平に与えられているように見えて機会は平等。その機会は基本的に年と共に与えられていく。それは若さ、つまり年には逆らえない。
沈黙の図書室。久しぶりに何かに当たってしまった気がした。
ただ―――その経験という物に勝てるのならば、俺は何をすればいいのだろうか。
それは簡単、
――――――――その経験を持った先人を頼り、裏道から経験を手に入れればいいのだ。
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