ずっと横目で見えていた筈であった世界は這ったりで……1
「ピピピ。ピピピ」
もうトラウマになりつつある乱暴なアラームの音が鳴り響く。てかなんなのこの音。うちのクラスのタイマーが同じ音だから鳴るたびにトラウマもんなんだけど。ついでに塾も。ついでに先生も。
今日は珍しく目覚めがいいらしく、時刻は土曜日でAM8時。なぜ早く起きたかと言いますとね……。
俺はまだ冴えない頭を掻き、昨日コメダであったことを回想する……。
「そういえばさ、あれってなんなのあれって」
「………あれって何ですか?」
俺は少しの緊張が取れず、どこか敬語になっていしまっていてぎこちない。
コメダ足立店。俺がたびたび愛用させてもらっているこの場所は午後6時を過ぎそろそろ7時を迎えようとしているのに客足は遠のくことを知らず、盛況であった。
……がヤリチンは何にも気にしていないようで話を続ける。
「そうあれだよあれ……じゃん、だら、リン!」
「まさかの西三河弁フルセット!」
思わず俺らしくない突っ込みが勢いよく俊敏に出てしまう。てか別に俺忘れかけてたけどツッコミキャラなんだけどねぇ……。
別にそんなことはどうでもよく大丈夫ではないのはネタの使いまわし。正直俺(15)の貧弱な脳じゃ大層な発想するのは無理だよぉ~。誰か英語教えて……。
そんなリアルなお話は終了。最近ツッコミキャラがモテるって聞いて実践している俺氏であるが大した変化はない。……おっとまたリアルな話をしてしまったようだ。
そんなことはラブコメの中だけだ。
俺はそんなモノローグを終わらせると、ヤリチンは目を見開き何か決まったようで俺に目を合わせこう放つ。
「という事で明日モーニング行こ~!」
そうこんな感じに………。ねむ。
俺は視線を落としている緑が引くLINEの友達ページを眺める。
友達27(令和2年3月4日現在)…同級生2人と母、そして中学の頃の友人。父?知らんな。
その中の同級生、一人は佐藤健とかいう紺サッカーボールという安直なアイコンの安直な奴。そして、その下、一際目を引くオレンジベースのアイコンに愛おしいハリネズミがポツリと佇んでいる。その右側にはテキストで「伊良湖みなみ」と書かれていて……。伊良湖って言うんだな。
正直今頃「君の……名前は」っとお伺うのは失礼なので心の中にメモっておく。少しでも好感度上げるためにね?まだ諦めんぞ!
まあともかく、佐藤健とか言う奴からは数件メッセージが来ているようだが見えなかったことにして伊良湖からの連絡も一切なく、空白のテキストがあるだけ……。てか他の面々(中学時代の友人)なかなかなもので最終チャットは卒業式の日、3月9日ではなく6日。しかもまた逢う日までとか送ってきやがっている。………。………。………。………。まぁこの現状察しである……。誰か俺の人生飾って!
というか結局あの面々とは合うことはなかったな。まあ別に今になっての話ではないけど。
まぁいいでしょう。俺はベット上の毛布を払い、腰を上げる。
着慣れない秋物のシャツはまだ襟にコシが残っていて少し身動きが取りづらい。
ぺりぺりっとサイズの書いたシールを胸元からとると出かけの準備も完了。
俺は玄関の扉を開けるとどんよりとしてた肌寒い世界に勢いよく飛び立つ……。
「グキッ」
「いって……」
アニメのように飛び出したら結局結果はこれだよ。はあ……腫れてる。パワプロではまだダイジョウブだろ!ちなみに俺は「元気になりたい」で確実性をとっていくタイプです。
なんで捻挫させるんだよ神様-。少しはアニメ補正掛けてくれたっていいのに。誰か俺の人生飾って!アニメの神様!いやラブコメの神様でもいいから。
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