概要
※第7回角川文庫キャラクター小説大賞 一次選考突破作品
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天才的な演技力を持つが容姿に恵まれないミカ。モーションキャプチャーアクターとして、女優を目指していたが、厳しい現実を突きつけられる。
そんなミカが出会ったのは、人工筋肉と人工皮膚により人間そっくりに作られた演劇用ヒューマノイド「アクトノイド」。
アクトノイド・パフォーマーとなることを決意したミカは、栄光を手に入れられるか! ミカの夢の舞台が、今、始まる!
◇主要登場人物
水上(みなかみ)ミカ:天才的演技力を持つアクトノイド・パフォーマー
本城(ほんじょう)愛子:ミカの友人のグラビアアイドル
流(ながれ)輝(ひかる):残
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!一人の女優の魂を描いた圧巻の作品!
平凡な見た目の女優ミカがアクトノイドという優れた容姿を手に入れ、アクトノイドパフォーマーとして活躍する圧巻のストーリーです。
演技の神というものが存在するのであれば、どうして神はミカに人並外れた美しさを与えなかったのでしょう。そこがストーリーの面白いところでもあると思います。アクトノイドという殻を得て、ミカが自身の才能を武器に勝ちあがっていくストーリーはとにかく爽快です。
作中では演技というものの本質にも触れられていて、ああ、そうか、そうだよなあ、と読み入ってしまいました。演技という世界で生きている人々の真剣な思いがひしひしと伝わってきました。
劇中劇もたくさん用意されていて、ストーリー本編…続きを読む - ★★★ Excellent!!!クールなSFストーリーと熱い演劇の化学反応!
まずもって素晴らしいSF作品でした。
SFの面白さの一つに未来のテクノロジーが人間社会をどう変革させていくか? というテーマ性があると思います。
面白いSF小説はこの辺りを実に想像力豊かにシミュレートし、さらに上を行くような世界を見せてくれるものです。
この物語に登場するのはアクトノイドという生身の人間そっくりのヒューマノイド。
ただしAIが搭載されているわけではなく、言葉と体の動きをトレースしてくれる、俳優ロボットです。
言ってみればリアルなアバターみたいなものでしょうか。
でもそれだけに実現可能なテクノロジーに思えてきます。
そして物語の主役は実力がありながらも表舞台に立つことが敵…続きを読む - ★★★ Excellent!!!☆小説を読んでスタンディングオベーションをしたいと思ったのは初めてだ
演劇系SFもの。
にわかSFファンとしてそれなりに多くのSF作品に触れてきましたが、演劇を題材にしたSFは初めてでした。まず痺れたのが、モーションキャプチャーや仮想現実の技術を発展させたガジェット。アイディアとしては出てきそうなものですが、それを一本の物語として描き切ったのが素晴らしいです。作中で登場する設定を読む度に「盲点だった……」と唸らされました。あと人工知能の限界についての描写もあり、全体としてSFネタの使い方が非常にうまいと感じましたね。
加えて、この作品はSFとしてのテーマが興味深い。物語に登場する「アクトノイド」はアクターとヒューマノイドを合体させた造語であり、いわば「人間…続きを読む - ★★★ Excellent!!!冴えなかった女優が美少女ロボットを操り、新時代の役者として活躍する
すでに現代ではボーカロイドという人間の音声をコンピュータに取り込んで、自由に曲を歌わせるソフトが存在するわけですが、この物語にはその更に先を行く発想として、人間そっくりのヒューマノイドロボットを操って演技をする「アクトノイド」という概念が登場します。
主人公ミカは優れた演技力を持ちながら、容姿が人並みであるためにどうしても女優として正当な評価をされません。
仕事が回ってきても「見た目が良い」「スポンサーの意向」などの理由で自分よりも演技力に劣る女優に仕事を取られて忸怩たる思いを抱えていました。
しかし、そんな彼女に転機が訪れます。
ある天才エンジニアが作った美少女ヒューマノイドロボット「ア…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ロボットの演技はいかに!?
SFヒューマンドラマです。
人口筋肉、人口皮膚によって作られた演技用ヒューマノイド、通称アクトノイド。
オペレーションサークル、オペレータースーツ
などで設定がリアルです。本当に未来にはできるのではないかと思います。
アクトノイドは、人間では危険なアクションや人間がやりたくない役にも最適です。
ルックス重視の芸能界。ルッキズムの深いとテーマとも本作は関わってきます。
アクトノイドが役に立つのは演劇だけではありません。人間では難しい事故にも活躍!
全章でのヒロインの活躍が見物です。アクトノイドの可能性はここまであったか。
強くかっこいいだけでなく、考え方もいいです。
人間の…続きを読む