クールなSFストーリーと熱い演劇の化学反応!

まずもって素晴らしいSF作品でした。

SFの面白さの一つに未来のテクノロジーが人間社会をどう変革させていくか? というテーマ性があると思います。
面白いSF小説はこの辺りを実に想像力豊かにシミュレートし、さらに上を行くような世界を見せてくれるものです。

この物語に登場するのはアクトノイドという生身の人間そっくりのヒューマノイド。
ただしAIが搭載されているわけではなく、言葉と体の動きをトレースしてくれる、俳優ロボットです。
言ってみればリアルなアバターみたいなものでしょうか。
でもそれだけに実現可能なテクノロジーに思えてきます。

そして物語の主役は実力がありながらも表舞台に立つことが敵わなかった女優「ミカ」さん。
彼女がこのアクトノイドと運命的に出会い、真価を発揮し、演劇界に革命を起こしてゆきます。

まずもってこのストーリーが実に面白いです。
さらに彼女が立つ演劇や映画の世界、これがまた実に熱く面白く語られていきます。
SFはとかくクールになりがちなものなのだとおもうのですが、この物語はミカの成長や葛藤も相まって、実に重厚なドラマとなっています。

とにかく読み応えたっぷりで、感情に満ち溢れていて、読書の楽しみがいっぱいにつまった作品。
ぜひ読んで見てほしい作品です。

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