(隠しステージ)〜響子の想い出⑥〜

 これは私の持論なのだけれど、2作目が名作のソフトはシリーズとして大成功する、と思う。

 1作目で物足りなかった部分や足りなかった要素を加えたり、逆に不必要なところや不評だったシステムを削ったり。そんな制作スタッフの試行錯誤の結果、2作目は完成度が十二分に増して、シリーズとして体現したかったことが花開く。

 『ロマンシング サ・ガ2』はまさにそんな作品だ。


 『ロマサガ2』は、帝国の歴代皇帝が世界の平穏のため領土の拡大を目指す、という設定で、RPGというよりはシミュレーションゲームのような印象を受ける。

 けれど、これが『ロマサガ』シリーズの特徴であるフリーシナリオとの相性が抜群で、このシリーズのアイデンティティを確立させたように思う。


 さらに『ロマサガ2』は“閃き”という画期的なシステムを生み出した。

 強敵と戦っている最中に新しい技を閃いた瞬間。あの「ピコーン」という音が鳴ったときの嬉しさは、なかなか言い表せない。

 (『ロマサガ3』以降の作品にも“閃き”システムは踏襲されるけれど、私は『ロマサガ2』の「ピコーン」音が一番好き。)


 とはいえ、この作品は特徴的である分、とっつきにくさがあるのも事実。

 実際、私だって何度もつまづいたし、きっと錦くんがいなかったら途中で投げ出していたと思う。


 仲間キャラクターは頻繁に入れ替わるから感情移入ができないし、ストーリーの根幹に関わるはずの“七英雄”がいったい何なのかもよくわからない。

 戦闘回数に応じて敵が強くなるから、下手にレベル上げをしたら敵がどんどん強くなって手に負えなくなる。


 でも、何度か繰り返すうちに、いろんなことがわかってくる。


 仲間キャラクターには個性が無いように見えて、実は同じ職業クラスでもキャラによってステータスが違っていて。(イーストガードのなかでも“ソウジ”はめちゃくちゃ強いけれどLPライフポイントが1しかなかったり、軍師の“コウメイ”は術を使わせれば最強だったり、そんな極端な面白い例もある。)

 “七英雄”にもそれぞれの目的や性格があることが、いろんな人の話を聞いて繋ぎ合わせると、なんとなく垣間見えてくる。

 強い技を閃くために都合のいい敵を見つけて上手く利用すれば、戦闘がずっと楽になって。


​ そんな風に、やればやるほど、知れば知るほど、面白くなるゲーム。試行錯誤と“閃き”が何よりも大事。

 それが、この『ロマサガ2』という作品だ。

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