(隠しステージ)〜響子の想い出⑤〜

 『聖剣伝説2』というからには、もちろん聖剣伝説シリーズの2作目。

 キャラクターを成長させていくRPGロールプレイングゲームの要素と、ボタン操作がキャラクターの動きに直結するアクションゲームの要素を組み合わせた、“アクションRPG”というジャンルになる。

 Aボタンを押すとダッシュする、Bボタンを押して剣を振る、という気持ちのいいキャラクターとの一体感が、アクションRPGの大きな魅力だ。

 (反射神経が鈍い私には一般的なアクションゲームは敷居が高いけれど、アクションRPGなら、地道にレベル上げをすることでなんとかクリアすることができる、というのも非常に大きい。)


 前作である初代『聖剣伝説』はゲームボーイのソフトで、もともとはファイナルファンタジーの外伝ということで作られたらしい。

 でも、この『聖剣2』から、独自のシリーズとしての地位を確立する。それだけ人気があったということなんだろう。


 『聖剣2』には多くの武器と魔法が存在する。

 武器は8種類あるし、魔法は8つの属性がそれぞれ3つずつあるから全部で24もある。

 もちろんアイテムだって、たくさんある。(HP回復のアイテムだけでも、“まんまるドロップ”、“ぱっくんチョコ”、“ロイヤルゼリー”と3つもある。しかも、それぞれ4個ずつしか持てないから、序盤の回復アイテムだって終盤まで役立つこともある。)

 これだけ選択肢があると、一般的なRPGみたいに、リストのなかからカーソルを合わせて選ぶ方式を取らざるをえないと思うけれど、『聖剣2』は画期的な方法でその煩わしさをクリアした。

 “リングコマンド”という独特のシステムだ。

 コマンド画面を開くと、まさにリングのようにアイコンが円形に並ぶ。十字キーを押すことでリングが回転したり、キャラクターを切り替えたりできて、直感的に操作することが可能になっている。

 円形に並んでいて、それぞれの武器も魔法の属性も、全部平等って感じがするのも、とてもいい。


 あと、『聖剣2』は音楽もすごい。

 もちろん『ドラクエ』や『FF』の音楽も大好きなんだけれど、『聖剣2』から流れるBGMは、スーパーファミコンとは思えない音色を奏でる。

 おそらく多くの子供たちを怖がらせた“呪術師”や、みんなが大好きなボス戦の“危機”、最終決戦に相応しい“子午線の祀り”など、数々の名曲がある。(錦くんがサントラCDを持っていて、いつも熱く語っていたおかげで、私まで曲名を全部覚えてしまった。)


 このゲームには、ボスの部屋から出られなくなったり、キャラクターが消えたり、なんてけっこう致命的なバグもあるけれど、それもまた良い思い出。そんなバグも含めて、あの頃はわいわいと楽しんでいた。

 きっと、心に余裕がある子供時代だからこそ、なんだろうな。


 『聖剣伝説2』は、そんなバグですらたくさんの人から愛された作品だ。

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