(隠しステージ)〜響子の想い出④〜
ファイナルファンタジーシリーズの中でも傑作とも名高い『FF5』。この作品には今でも根強いファンは多いみたい。
そもそもファイナルファンタジーというシリーズは、“クリスタル”“チョコボ”“飛空艇”といった共通項はあるものの、ゲームの根幹にかかわるシステムや舞台設定は作品ごとに大きく異なる。
前作の『FF4』と比較しても、それは一目瞭然。
『FF4』は多種多様なキャラクターが登場するけれど、成長戦略はレベルを上げることのみ。キャラクターの入れ替わりはストーリー進行で自動的に行われるので、戦略を練るというよりも、キャラクターによる戦い方の違いや、ストーリー進行自体を楽しむのがメインになる。(リメイク版では終盤から自由にパーティーを編成できるらしいけれど。)
それとは対照的に、『FF5』は基本的に
チョコボが相棒の
その代わり、ジョブとアビリティを各キャラで自由に設定できるので、たとえば誰を攻撃役にするとか回復役にするかとか、すべて自分で決めることになる。
キャラごとにステータス補正があるらしいけれど、私は見た目を優先してジョブを決めていた。
特に、ほっかむりをしたガラフの
このジョブとアビリティというシステムによって、広い戦略性が生まれたのは当然だけれど、さらには様々なボスに対する“正攻法”と“必勝法”という二つの考え方も生まれる。
“正攻法”というのは、しっかりとレベルを上げ、攻撃役と回復役、そして補助役をバランスよく編成し、どんなボスにも対処できるようにパーティーの編成を組む方法。通常の戦闘はこれを意識するし、私はこの戦い方しか知らなかった。
それに対して“必勝法”は、ボスの攻撃方法や属性に対処することだけを考えた専用の編成を練る。要するに、そのボスに特化した攻略のこと。
大抵のボスは、そういった攻略が可能らしいので、それを考えるのが楽しいって人もいる。(錦くんはまさにそのタイプだった。)
昔はそういう対症療法的な戦い方をズルいって思っていた。
積み重ねも、こだわりも、なにもないんじゃないかって、そんなことを考えていた気がする。
でも、大人になった今では、そういう戦い方も大事なんだと思うようになった。
ときにはその場限りの対応が必要になることもあるんだって考えられるようになった。
いま思えば、『FF5』はそのゲーム性を通して、私にいろんなことを気付かせてくれた作品だ。
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