EP01-02
スバルに張り巡らされた強化ガラスの向こうに、都市部の風景が流れていく。
世間一般的に"都市部"と認識されている小奇麗な街並みは、どこもかしこも代わり映えのしない、似偏った色と造りをしているものだ。
街を行く人々も大体同じ。若者の多くは、今年の流行色として
ちなみに去年は、ルビーレッドが流行色として
一体どうしてなのか、人々は他の人と同じ服装をすることに安心する傾向があるように思う。極稀に、個性的な出で立ちをした人を見かけても、大抵が
味気ない風景は毎日のことで、私は退屈を覚えずにはいられない。けれど"退屈"とは、換言すれば"平和"そのものなのだと、私たちの誰もが
それこそ今日という日にだって、
極めて個人的な感傷に浸りながら、流れ去っていく街並みに溜め息を吐いた。
自動走行ポッドは、どの
似たり寄ったりの都市部の風景は、決してテンションが上がるものではないにしても、真っ暗闇の中をひた走る
完全に余談になるけれど、自動走行ポッドはテロ(そもそも国家という概念のないこの現代に、テロという呼び方が適切であるかどうかは疑問である)防止のために、このような構造をしているという一説がある。要するに、乗り手が景色を楽しむためにではなく、外部の人間から乗り手の様子がよく見えるようにするために、開放的な作りを徹底しているというのだ。
出所不明のその説の真偽は定かでないにしても、確かにこの透過具合と開放感では、銃器を隠せるようなスペースは見当たらない。それに精神的にも、「
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