そして、また新たな世界へといのちのバトンは受け継がれる
新時代への階段②ー2 ※三人称 字幕ナレーション 視点
《クラゲのような原始的な生物が地球上で最初に目を持ったと考えられています。
先カンブリア時代の海の中。
海中には既に植物プランクトンがたくさん生息していました。
既にその頃、クラゲのような姿をした原始生物も海中に生息していましたが、
目と呼べるような器官はまだありませんでした。
しかしあるとき、
後のカンブリア大爆発のきっかけとなるような生物史上の大事件が起こりました。
そのクラゲのような原始生物の生殖細胞の中に植物プランクトンが偶然入り込みDNAが中に撒き散らされたのです。
撒き散らしされた植物プランクトンのDNAの中にはロドプシンと呼ばれる遺伝子がありました。
そして偶然にも、
そのロドプシンという遺伝子が
クラゲのような原始的な動物のDNAと結びついたのです。
動物が植物の光センサーの遺伝子を取り込むというこの一連の出来事こそが、
原始的な目の起源であり、動物が脳内に光受容細胞を獲得した奇跡の瞬間でした。
この光を感じる細胞は、脳内でまとまって発生するようになり、奥に残ったものは松果体に、
脳の外に飛び出したものは眼として進化していきます。
最初はクラゲのような姿だった目を持った動物は、三葉虫の様な姿、昆虫や魚に似た姿等へと、短期間の間に種類を爆発的に増やしていくのです。
しかしまた皮肉なことに、
動物は目という素晴らしい器官を手に入れたこととは引き換えに、視界という3次元のフィールドで生き残りを賭け競い合う必要が出てきたわけです。
ある者は骨格、ある者は目、そしてある者は脳に至るまで、生き物達は様々な方向に枝別れをしながら進化していくのです》
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