(2) 古生代~カリス帝国と伝説の地ティルク

類は友をよぶ・天然少女ハルキとの出会い

カリス帝国のおてんば少女


透き通る青い空の下、どこまでも広がる青く透明な水。水面には、太陽の光がキラキラと輝き、まるで宝石を散りばめたように美しい。

空から光が降り注ぐ、この美しく透き通った水の世界には、不思議な形をした動物や植物がたくさん暮らしている。

そんな世界で暮らす、元気いっぱいの少女。

彼女は、天から差し込む光の先にあるとされる伝説の地、"tirk《てぃるく》"に憧れていた。



「眩しいな……。私は夢を見ていたのか」

蓮姫は、ゆっくりと瞼を開けた。


眩しい光が目に飛び込んでくる。どこまでも続く透き通る海。


ここは、現実なのか、それとも夢なのか。


「……アレアレ? 眠いの? タヒぬの? まだ駄目かぁ~。 ここをつまんだら目を覚ますカナ? 試してみるっし、エイ!!」 


蓮姫がその声に驚いて振り返ると、そこにはいたずらっ子の少女がいた。


彼女は、蓮姫の鼻を摘んでいた。

「……? フン、ウグゥゥ、ぐるしいー!」


「あ! 動いたっし! キャ!!」

いたずらっ子の少女は、蓮姫が反応したことに驚き、慌てて手を離した。


「はっ! ゴラァ~!! 貴様~! 私の鼻を摘まんで殺す気かー!」

蓮姫は、怒って少女を追いかけた。

「わー!! 怖~い! めんくり~!」

少女は、楽しそうに笑いながら逃げる。

しかし、蓮姫はすぐに少女を捕まえ、そして怒鳴りつけた。

「てめえ、コラ!! 逃げんなー!

まずは私に言うことあるよな?」

蓮姫は、少女を睨みつけた。

すると少女は、ばつの悪そうに下を向き、指をいじって言った。

「は、はい……。 め、めんくり……」


「貴様ー! って何や!? てめぇは真面目に謝る気あんのか!」


はね、 《《アハハ、ごめ~ん、 可愛いあたしのこの純真で無垢な笑顔に免じて笑ってゆるして……くり☆ ね、いいよね~? てへぇ、ぺろりんこ!》 》って意味だし♪」

少女に得意げにそう言われ、

蓮姫は、思わずため息をついた。


「はぁ…………、 フゥゥゥゥ~、 まずは一発」


コツン!!


痛っ!!


蓮姫は、少女の頭を軽く叩いた。



「お姉さん酷~い!!」


「何が

《笑ってゆるして……くり☆

てへぇ、ぺろりんこ!》

じゃコラァ~!!」


「しゅん……」


「ったく~!

まあ今回は一発で勘弁してやらぁ。

でも今度やったら10倍返しだかんな」


「は~い。 ところで……、 お姉さん不思議な格好しているけど、 外界の人? あ! もしかして……、tirk《てぃるく》の人? お姉さんtirk人!?」

少女は、キラキラした目で蓮姫を見上げた。tirk《てぃるく》は、この世界で最も美しいと言われている伝説の地。少女は蓮姫がその地から来たのではないかと期待している様子だった。


「はいはい、鬱陶しいからそんな質問攻めにするな」

蓮姫は、面倒臭そうにそう答えたが、内心では少し嬉しかった。


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