の
ある日、蓮姫は少年が毎日お祈りに来る理由が
どうしても知りたくて、家に帰る少年の後をつけることにした。
『ママ、ただいま~!』
『おかえり~アキア』
『ちょっとママ? 起き上がってなにしてんの?
、駄目だよ!病気なんだからちゃんと寝てなきゃ!『
『ゴホン!ゴホン! ごめんねアキア。
お母さん 内職の仕事溜まってるから』
『そんなの、僕が暇なときにするから!
ママはとにかく寝てて』
『ごめんね……。
ありがとね、アキア『
『ママ、眠れない。今日もお話聞かせて?』
『じゃあ今日はね……』
(あいつ、ハムザが父親がいないって言ってたし、
一人で病気の片親の看病してんだな……)
蓮姫は、そっと少年の家を後にして社に戻った。
そして翌日、
蓮姫はお祈りに来た少年に詳しく事情を聞くことにした。
「なるほどな。
あと一つ聞いていいか?」
「な~にお姉ちゃん?」
「何をお祈りしてるんだ?」
「僕ね、お星さまをママに見せてあげたいんだ」
「お星さまを? なぜだ?」
「僕は昔ね、パパと二人で海の頂上海面まで長い旅をしたんだ。
そして、海面から顔を出したんだけど、そこにはね、
気が遠くなる程でっかくて真っ黒な天井にびっしりと綺麗なものが光が輝いてたんだ。
ホントに感動して泣き出しちゃうくらい綺麗だったよ」
「ふむふむ、それで?」
「それでそのときね、
パパもお星さまを見上げながらボクに教えてくれたんだ……」
【アキア、よく覚えておくんだよ】
【な~に、パパ?】
【天井一面に輝くこれらのものはお星さまって言うんだ】
【おほしさま?】
【お星さまはな、
アキアが嬉しいとき、苦しいとき、悲しいとき、
どんなときでもちゃんと見ていてくれるんだ】
【パパ、それホント~?】
【ああ、もちろんホントだよ。
それでな、
アキアが今お星さまを見上げながら感じているその純粋な気持ち
決して忘れるなよ】
「どうして、パパ?」
「それはな、
アキアがひた向きにコツコツ努力をして生きる姿を
お星さまはちゃんと見ていてくれて、
いつかきっと
でっかい奇跡を起こしてくれるんだ。
だから、希望を捨てるんじゃないぞ」
【うん、わかった!】
「だから僕は、みんなを幸せにしてくれるお星さまを
ママにもみせてあげて、
元気になってもらいたいんだ」
「まるほど、そういう事だったんだな?
じゃあ、
一緒に、お前の母親も一緒に連れてって
お星さまを見に行くか?」
「え? いいの?
それに……ママはどうやって連れてくの?」
「お前の母親は私が担ぐ!」
「ホントに~?
ありがとうー!!
お姉ちゃん!」
蓮姫の提案に、
少年は喜び、服の袖を掴みウサギの様にぴょんぴょん飛び跳ねながら
発情期のサルのような嬉声をあげた。
「お星さまを観るの無理だぞ!絶対無理だ!
悪い事は言わん、諦めろ……」
突然、
社の柱に寄りかかって蓮姫達の話を聞いていたハムザが
会話に割り込んできた
「へ……?」
少年はハムザの一言に目を丸くし,
氷の様に押し固まった。
「ちょっとてめえ! ハムザー!!
諦めろだと~?
喧嘩売る気かー!? オイ!!!」
「出来ないことを出来るなんて嘘をついて期待を持たせる、
アマザ? お前、最悪だな……」
「んだと~!?
お前ふざけんなー!!」
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↑【登場人物】
•アマザ(蓮姫)
•アキア
•アキアの母
•アキアの父
•ハムザ
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