サイコメトリー
デルタ※前回のあらすじ
【登場人物紹介】
性格が変わったハルキの正体
ネイピア
知的で落ち着いた雰囲気の5次元人の少女。
別タイトル
『心層科学ファンタジー5次元少女』
の登場キャラクター。
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※前回までのおさらい
蓮姫と共にアノマロカリプスの元へ向かったハルキ。
天然で天真爛漫な元気少女だったハルキの性格は高飛車な頭脳明晰少女へと一変し、元の面影は無くなっていた。
蓮姫はそんなハルキの変貌ぶりに驚きつつも、ハルキとタッグを組みアノマロカリプスに戦いを挑む。
囮となりアノマロカリプスの攻撃をかわす蓮姫の姿を見てハルキはある作戦を思い付く。
ハルキの提案により、ハルキとアノマロカリプスはスポーツマンシップにのっとり正々堂々と勝負をすることに。
ハルキは、空気の読めない審判の蓮姫と、理解力の無いアノマロカリプスに足を引っ張られながらも、自分に有利な茶番勝負をでっち上げ、みごとお得意のとんちで勝利した。
勝利者の特権としてハルキは一つの条件を出した。
そしてその条件とは、自分の体をアノマロカリプスに触れさせてもらうという一見意図のわからない内容だった。
条件を出すとほぼ同じタイミングで急に気を喪ったハルキ。
ハルキは意識を取り戻したが、アノマロカリプスとの勝負の記憶はなく、蓮姫にとって見覚えのある天真爛漫なお気楽天然娘に戻ってしまっていた。
※前回までのあらすじ終わり
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
「ハルキ、お前……」
「カムっち、し~!」
「突然どうした、ハルキ?」
「誰かがアタシに助けを呼んでるの!」
「助け?
ハルキ? お前今目の焦点が合っていないぞ!
大丈夫か?」
「…………」
ハルキは蓮姫の問いには応えず、
まるで吸い込まれるように横たわったアノマロカリプスに近づくと、全身で抱きついた。
すると、驚いたことに アノマロカリプスの体の中から自分の声にそっくりな少女の声が聴こえてきた。
◇あなたが近づくと温かい……。
あたしはデルタ。ねえ、あなたは誰?◇
(アタシはハルキ。
ここ、温か~い。そして、とっても黄色くて明るいところだね。
ねえ、どうしてあなたはここで閉じ込もっているの?
確かに明るくて温かい場所だけど
ずっといたら寂しくならない?)
◇寂しいわ。
あたしは、絶望し、長い長い年月の中で
大切な友達とその思い出を失ってしまったの。
この闘い、あんた達の勝ちだわ。
さあ、早くあたしを楽にして……◇
(嫌だ!
あんたは大切な記憶、思い出したいんじゃないの!?)
◇ええ! もちろん思い出したいわ!
でもね、あたしが生きていることが、
あたしの体に共存する二人の魂を縛っているの◇
(どういうこと?)
◇あたしは自分が選んだ孤独な運命に
大切な二人の一生を
巻き込んで、死なせてしまったのよ◇
(死なせた?)
◇少し話が長くなっちゃうけど、
あたしがこんな姿になってしまった背景話してもいい?◇
(うん、話して)
◇わかったわ。
あたしにはナブラっていう歳の近い泣き虫な弟がいて、弟のナブラにはラプラシアンっていう頭のいい男友達がいたの。
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