時代《トキ》を進める種

時代を進める種

湖の中で長く水に浸されていたからだろうか。

ハルキの体のほとんどの部分は金属部品で人工的に作られてはいたが、金属部分は錆び、苔や海藻類がたくさん付着していた。


「セクス枕 だと……!?

貴様、な、な、なんちゅう

如何買欲いかがわしい、

君嗜可憐けしからん 名前だー!


「カムっち顔赤っ!

興味津津って顔してるしー!

違うよ違うよ!!」



「もちろん・・・それはわかっていた。

冗談だ、ゴホン!」


「カムっちホントに〜?」


「本当だ、ハルキしつこいぞ!

私の生まれた世界にはな、そういう舌を噛みそうで聞くからに面倒くさそうな物は無いからようわからん。つまり、結局お前は何者なんだ?

ただし、説明は食欲・性欲・睡眠欲のどれかで頼む」


「え〜とね〜、・・・?

って、ハードル高っ!!

それにカムっち、性欲言っちゃってるしー!!」


「ったく、ハルキ?

お前はさっきからガタガタうっせーなー!

え〜い、駄目だ駄目、却下!」


「ホントにカムっちは血も涙も無いよねー」


「血も涙も無いのはロボットのお前の方だろ!」


「カムっちロボット知ってんじゃんかー!!」


「すまん。面倒くさいから知らんって嘘ついた」


「カムっちってどんだけ面倒くさがりなん!」


「さっきから話それまくりだな。

ハルキの正体がロボットだって言うことはわかった。

で、お前はさっきから湖と陸地を行き来して一体何をやってるんだ?」


「これは何をしてるかってコト?

これはさ、存在しなくなった時の主の代わりに、仕事をしてるんだよー!」


「はぁ!? 時の主の仕事を? お前がぁ!?」


「そだよ」


「悪いが、私には今のお前が全然仕事してるようには見えんぞ!」


「ちゃんと仕事してるよー!

覚醒する前の表層意識ではね、ハルキという何も知らされていない人格であえて潜伏しているけどさ、

潜在意識ではちゃんと超越因子を探しながら、この時代を監視しているよ。

例えば地道な仕事だと、苔や藻類を湖の中から陸地に運んで陸上植物に育ててるんだよー!

それにね、この時代に来て時の主の代わりにしなきゃいけない仕事もあるんだよ」


「なんだそれは?」


「時代を進める種を探し、

生き物に光を与えることなんだよー!」


「時代を進める種?

それに……、光を与えるだと?」


「そうだよ。

時代を進める種はもうみつけたよ。

未来からのタイムトラベラー、

ラプラシアンとナブラって言う二人の男の子。

そして……」


「そして!?」

蓮姫はそう聞き返しハルキの指さす方を振り返った。


「そこにいるデルタちゃんの三人だよ」

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