P34 深刻な事態(→☆)
一面に広がるのは、青い空。
そして、陸地にはただ土と砂。
太陽がとにかく眩しく、湿気はあったが、
蓮姫の育ったガンガラ亜大陸程は蒸し暑くも無かった。
蓮姫はなんとなく嫌な予感がし、
自身がほんのつい先ほど
泳ぎ這い上がってきた後ろを振り返った。
すると、そこには蓮姫が3分もかからず向こう岸まで泳いでいけそうな幅の狭い小川があるだけだった。
「まさか!?」
蓮姫がその小川に飛び込むと、
口の中に沢山の淡水が入ってむせてしまった。
「これはどういうことだ?」
蓮姫はつい今まで水中で普通に呼吸出来ていたのに、出来なくなってしまっていた。
蓮姫は今度は深く空気を吸い込み、
そして息を止めて
もう一度水面に潜った。
「ん……!?
んんん んんんん~」
(なんで……!?
意味がわからない!)
蓮姫の足は、僅か数秒で川底についてしまった。
『バサ~!バサ~!』
蓮姫は息が持たなくなり、
川岸に近い足がつく浅瀬に戻り、
水面から顔を出した。
『ぷぅふぁー!
ハァ、ハァ!』
「しっかし、どういう訳だ?
私はハルキにも別れの挨拶をしてないぞ。
それに……、
この地上には何も無いではないか。
時の主がハルキがいた水中の世界にいたとしたらこれは非常に困る…」
蓮姫はとにかく陸にあがると、
深刻な面持ちで同じ狭い場所をうろうろ行ったり来たりしながらこの先のことを考えていた。
「なんとかならないものか?
誰か私に教えてくれ!」
???※若い少女の声
「あなたまだ何にも知らないのね?」
「あ~、
知らないとも!
私がこんな事態になることなんてわかる筈がないだろ!?
………、ハ!?
誰かそこに要るのか!?」
蓮姫は慌てて、声のした方向を振り向いたが、そこには誰もいなかった。
しかし、先ほど少女の声がした先の地面には、
太陽の光で反射して輝く綺麗な石が落ちていた。
「この石は……!
さっきまでは落ちていなかったが、
一体なんだ?」
蓮姫は恐る恐るその綺麗な石を拾いあげた。
すると突然、その石は眩い閃光を出して、
辺りを真っ白にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます