思い出2 すれちがい

【追憶】秘密基地 ※カムラ視点

「ここがカムラちゃんの基地?」


「そうよ。どう? 凄いでしょ~?」


「う……うん。

でもここ。ガラクタばっかり置いてない?」


「ああ、基地の家具はみんな、

司祭達のゴミ捨て場から拾って来たからね」


「へぇ~。そうなんだ~。

この壊れた雑貨とか家具とかは

みんな、カムラちゃんが一人で修理したの?」


「そうよ」

この娘はあたしが修理したガラクタ家具に目を輝かせている。


この娘の名前はアミュリタ。

わたしは奴隷階級だけど、

アミュリタは階級が一番上の司祭階級の家の生まれで1人娘なの。


通常は住む世界が違うって理由で、一緒に遊ぶこどころか、会うことすら叶わないはずなんだけど、

わたしはある日偶然この娘に出会ったの……。


その日、わたし達はお友達になろうねって約束した。

アミュリタがパパに連れられ

再びこの村に祭礼の儀式で訪れたとき、

また一緒に会って遊ぼうねって言って。

もちろん、アミュリタのパパはそのことは知らない。

わたし達は内緒で会っているんだから。


まずは、わたしとアミュリタが出会った日のお話。


ケアリー・ジョーブの「Be Still」を

聴きながら光景を想像していただけると嬉しいです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る