「なあ、アマザ?

お前……、昔からそんな乱暴な怒り方してたか?」




「うっせー!!

ハムザは引っ込んでろ!

この件は私がちゃんと責任を持つ!!」




「そっか……、お前は頑固だな。

はいはい、ご勝手に」

そう言ってハムザは社の奥の方に引っ込んでいった。




「お……お姉ちゃん?」




「どうした? 小僧?」



「僕とママの為にさっきああ言ってくれてありがとう。

僕、その気持ちだけでとっても嬉しいよ」




「いいか? 気持ちだけでなんてそんなちっせえ事言うな!!


私はお前に約束する!


今度の満月の日、

お前と母親に

ぜってぇ~お星さまみせてやんよ!!」




「お姉ちゃん……??」




「だから、それまでおりこうさんにしておけよ、坊主!」


「うん。あ~!

ちょっとお姉ちゃん!

痛い痛い!

強すぎるって!

頭なでるならもっと優しくなでてー!!」

蓮姫は、少年の頭の上に手のひらを当てると、

地面にめり込みかねない力加減で、

力いっぱい豪快にその髪をモシャモシャにした。





何日か経ったある日、

蓮姫を訪ねて、少年をイジメていた奴らが社にやってきた。



「お前らみんな揃って私に何の用だ?

それに……お前らその頭?」




「実は俺たちみんな、アマザさん、いいえ、

師匠の弟子入りに来やした!!

そして、みんなその為に頭丸めて来たっす!」




「師匠ってオイオイ!

お前らまずは深呼吸して落ち着こうな?」



「了解っす! 師匠!

すぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」





「もうういい!! 深呼吸止めー!!」

(ハァ~! こいつらホント疲れるわ~!)


「いきなりそんな事言われても私は困るぞ!!」




「俺たちはみんなあのときの師匠の男気に一目ぼれしたっス!!」




「迷惑だから〜、そんな恥ずかしい惚れ方ー!

ホントお願いだからやめて! な?頼むー!」





「俺たちは師匠のお役に立ちたいだけなんです!

なんでも俺たちに言ってください」




「何でもって言われてもな~。


あ!待てよ……、


よし!

お前らにさっそく命令だ!

異論はないな?



もちろんっす!」



こうして、

元いじめっ子達ははれて蓮姫の下僕となった。


——————————————————————

↑【登場人物】

•アキア

•ハムザ

•アマザ(蓮姫)と愉快な下僕達

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