男女平等、案パ〜ンチ!

蓮姫モノ申す

◇あの後間も無くしてね、私の中でナブラとラプラシアンは完成に消えてしまったの。

感情に任せて人を殺し、一番大切な二人まであたしは殺してしまったの。

あたしは、どうやっても死ねない自分がもう本当に憎いわ◇


(ねえ、デルタ?

アタシ実さは、普通の人間とちょっと違うから、

デルタの姿と寿命を元に戻すことは出来るよー。

だけどね、死んだり消えてしまった人は元には戻せないんだ……、ごめんね)


◇そうなんだ・・・◇

それを聞き肩を落としたデルタの様子はまるでその答えを薄々覚悟していたかのようにおとなしかった。


(ねえ、デルタ?)


◇なに?◇


(アタシとあんたが今話をしているあんたの体の外野から、さっきから文句を言ってきてるうるさい変態がいるんだけど……ね?)


◇うん……◇


(その人が、デルタの姿を元に戻して話をさせろってうるさいんだよね……。

姿を元に戻すから、聞いてもらってもいいかな?)


◇いいよ◇


デルタがそう返事をした直後だった。


『ピカー!!』


◇眩、眩しぃー!◇

ハルキから眩しくて白い光が溢れ、

それは一瞬の内に辺り一面に広がった。


「あ、あ、あ……」

真っ白い視界は次第に薄れ、元の視界が戻ってきた。

しかし、その視界のアングルは化け物だった時の様に複数は無く、かつて少女として生活していた時のものだった。


「懐かしいわ……」

『キャア!!』

デルタの微かな悲鳴をハルキは見逃さなかった。

「デルタ、大丈夫?」


「ごめん、大丈夫。

久しぶりに元の姿に戻れたから、足元が慣れなくて。

ところで、あなたがハルキ?」


「そだよー」


「あたしを元に戻してくれてありがとう……。

これでやっとあたしは二人のところに行って、

ナブラとラプラシアン、そしてパパに謝まることが出来るわ」


「ふざけんなー!!!」

『ぐわあああ』


「え・・・?」


衝撃と同時に、デルタの口と鼻は赤い血で染めらた。


しかし、激しく殴られたはずなのに、殴られた痛みは……感じない。


「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっとー!??

カムっちー???

デルタになんて酷いことすんのー???

デルタに謝りなよー!!」


「気に入らねー!」


「この人誰?」


「デルタは知らないよね?

この人がさっき言ったデルタに会わせて欲しいって言ってた人、カムっちだよ」


「カムっち……さん?」


「ああ、そーだよ!

あんたがデルタって人か?」


「そうだけど、何?」


「私はあんたのそういうとこ、

気に入らねー!

なんか、ムカついて来たんだけど)


「え!?」


「テメェさぁー、

せっかくナブラって子やラプラシアンって友達がテメーに大切なことを必死で教えてくれたのに、

そこから何にも学んでなくね?)


「え? あたしが学んでない?」


「そうだよ!!

今テメーが言ってることってな、

ナブラって弟の為にとか言って、ナブラとラプラシアンの二人に内緒で

人生を投げ出した時と一緒じゃねーか!!)


「だって……、

あたしは弟のナブラが本当に大切だから!

あたしが身代わりになって絶対に失いたくなかったから!」


「だから、それが偽善だって言ってんだろーが!!

そうやってテメーは八方美人演じてるだけじゃねーか?

結局のところいーカッコしたいだけじゃねーか?」


◇そんなことないっ!!!◇

デルタは刺すような目つきで蓮姫に怒鳴り言いかえした。


「んなことあるっ!!」

そんなデルタの気迫に負けじと言い返す蓮姫。



「あんたにあたしの何がわかるのよっ!!

大切な人を見殺しにしてしまったあたしの気持ちわかる?

あたし達三人を創り出してくれたパパに手をかけて殺してしまった娘のあたしの気持ちがわかる?

あたしのこと何にも知らないくせに!

あたしに知ったような口聞くなー!!」


「感情に任せて論点を逸らすんじゃねーよ!

だからさ〜、私が言ってるのはな、

気に入らなのはなー、

テメーが死ぬことで、そんなテメーでも大切に想ってくれてる残された奴らの気持ちをなんで粗末にするのかって事だよ!!

不条理に死んじまったけど、それでもテメーを大切に想ってくれて、お前には生きて幸せになって欲しいと願ってくれてる弟や友達の気持ちを、

テメーはどうして受け止めてやんねーんだよ!」






——————————————————————

※蓮姫は作者である僕を振り切ってデルタにズバっと言っちゃいました。

ただ、これだけはわかってください。

蓮姫に悪気は無いんです。

そして、蓮姫の意見が正解だって訳じゃないんです。

正解なんて誰にもわからないんですよね。

死にたいと言う気持ちを受け止めてあげた上で、

でも、死んで欲しくない。それは、家族どうこうじゃない。デルタ自身のためと言いたいわけじゃない。

僕自身にとってデルタが大切だから。

だから、生きる意味を無くしてしまったというのなら僕の為に生きてくれ。

僕ならきっとそう言います。


でも、蓮姫はそんなこと絶対言わないでしょうね。

蓮姫には恥ずかしいことを素直に言えないところがありますから。

でも、ああ見えて蓮姫はデルタの事本当に人一番大切に思っているんです。

私にはデルタが大切だから。

私の為に生きてくれ。

内心ではそう思っていても言えない

あまのじゃくな昭和のお父さんみたいです。









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