一劫年のサイコロ、その本当の意味
『ゴクリッ』
蓮姫は悲壮感漂う表情で一度唾を飲み込み、
そして続きを読みはじめた。
~~手紙の続き~~
『ここからは、さっき触れた世界を元通りに復活させる方法について私が知っていることを書くことにするわ。
先ずは、
今まで通り各時代でサイコロを振って擬人化や過去改変を経験しながら元のあなたの時代に一度ゴールすること。
一度ゴールするのはどうしてなのか。
頭の中が食べるとこと寝ることと性欲しかない自称女の蓮姫さんはそう疑問に思うかもしれないわね。だからこの慈悲深い私が今回特別に理由を説明しておいてあげるわ。
一度ゴールしてしまうのは既にあなたが選択を誤り消してしまった古細菌時代をやり直す為よ。
一度ゴールすると、もちろんゴールしたままでもルール的には大丈夫なのよ。
だけどね、もう一度最初の時代からやり直すこともできるの。
そしてここからは私からあなたへのお願い。
この時空が断絶し乱れてしまった世界を元に戻す為に、あなたには一度ゴールしてから更に一度生命のスタート地点の時代から今に至る40億年をやり直して欲しいわけ。
ここまではあなたの役に立たないオムツでも理解してもらえたかしら?』
~~手紙中断~~
「カムっちちょっと読むの止めるし!」
「あ? どうしたんだハルキ?」
「はは~ん♪」
「な、なんなのだハルキ?
ニヤニヤとキモち悪い顔でこっちを見るな」
「ねえねえカムっち?」
「何だ?」
「カムっちたんはいい歳してまだオムツはいているんでちゅか?」
「ち、違っ! !」
「なにが違うんでちゅか~?」
(あいつ~!
真剣な手紙の中で私のことをさも堂々とディスってんじゃねーよ!!)
「ちょっハルキ、誤解するなよお
「ぷうっ、アハハ、アハハハww 」
「ハルキ、 笑うなっ!
次言ったらコレくらいじゃ済まさん」
「ギョエ~!
カムっちぐるじー!!!
ゆにば~す興産!!」
『コクリ!
ブクブク』
「なんだ、ハルキの奴面白くない。
気絶して泡吹いてる」
蓮姫は一言そう言うと、
手紙の続きを読みはじめた。
~~手紙本文~~
そしてサイコロの機能についての補足。
サイコロは前回プレイヤーのサイコロの目の履歴を記録しているの。
だから、各時代必ず同じサイコロの目をなぞって出していくわけ。
それじゃあここからはあなたにして欲しいことを具体的に書くわね。
あなたはゴールしたあなたの故郷の時代で一劫年のサイコロを一度だけ振って地球誕生直後の時代に戻って欲しいの。
そしてまずは
古細菌時代まで生きて同じ方法で擬人化をとき自然に還して欲しいの。
そしてその後絶対に一劫年のサイコロを振らないこと! いい? 絶対よ!
そしてそれはそれ以降の時代でも一緒。
つまりね、あなたにはとてつもなく孤独で酷な話だと思うけど、
二週目では42億年という気の遠くなるような途方もない月日をサイコロのワープに頼らずに生き抜いて欲しいわけ。
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