潰れた本屋の元店員は、あえて逆の発想でレビュ爆対策を考える。

 「売れ続ける本」と「売れなくなる本」の話の途中ではありますが、少し思うところがありまして、今回はレビュ爆対策についてです。


 自分、この作品の第11話と12話でレビュ爆対策のため「レビューは完結後まで読み終えてから書く」ことを提案しましたが、その方法ではやはり問題があると思いまして。


 読者側からみれば、お気に入りの作品の更新を追っていてレビューを書くのを完結まで待っていたら、書く前にその作品そのものがなくなってしまうこともあるし、作者側からみれば、レビューがなければ、完結までつきあってくれる読者どころか、作品を読んでくれる読者と出会う機会そのものを得られない。


 でっ! 自分は、別の方法を考えました。コンテスト参加作品に限りですが、吐血しなくてもいいやつを(つやつや←血色がいい)。


 まず、レビューを書く数やタイミングは一切問いません。ちゃんと作品を読んでさえいれば、いつどれだけ書いても全然OK! どんどん書いちゃってください。


 コンテスト参加者は読者選考期間中レビュー禁止、とかも言いません。今まで通り誰が書いても全然構いません(もちろん、副垢はNGでよろしく)。


 レビュ爆対策、と言いながらレビューそのものを禁止したり、制限したりはしません。しない代わりに、ある事をします。


 では、何をするのか。



 推薦をします。



 「応募条件(文字数とか)を満たしたコンテスト参加作品を最後まで読んだ読者は、その作品を大賞に推薦することができるようにする」


 です。


 コンテスト参加作品を最後まで読み終え、その作品が大賞にふさわしいと思った読者は、現在の応援コメントのように、「推薦する」をポチっとして、その作品が大賞にふさわしいものであることを熱く語るコメントを添えて(クールに語ってももちろんOK)、コンテスト主催者の版元さんに送れるようにしてはどうでしょうか?


 つまり、コンテスト参加作品を読了した読者が、審査員としてもコンテストに参加できるシステムですね。


 従来のレビュー、応援コメントとの違いは、


 レビュー   →「読者」が他の「読者」に作品を薦めるもの

 応援コメント →「読者」が「作者」を応援するもの


なのに対し


 推薦コメント →「読者」が「版元」さん……コンテストの主催者さんに書籍化         を希望する作品を推薦するもの


 です。


 正しいのは何と言っても「本を買う読者」の意見ですから。推薦コメントこれは、それに近いものになることが期待できると思うのですよ。

 

 もうひとつの違いは、レビューや応援コメントは誰が書いたものか公開されるのに対して、この推薦コメントは、公開されないものであるということ。


 個別の作品に対して、レビューは、誰がどの作品のレビューを書いたのかは一目瞭然で、レビューを書いた側にもメリットはあるけど、これにはない。

 それでも、その作品を大賞に推す声が多く寄せられる作品であれば、本物であることは間違いありません。


 誰が、どの作品を推しているか、いないかは、推薦した本人と、版元さんにしかわからない。もちろん、推薦された作品の作者さんにもわからない(本人から伝えない限り)。


 あえて、不透明にすることによって、透明にしようという逆の発想。


 読者の推薦が多い作品であれば、それだけでコンテスト大賞を受賞する資格があるし、また数が少なくても、その作品を熱く支持する読者が確実にいる作品であれば、書籍化の検討の余地があるものだと思います。


 もちろん、本垢、副垢を問わずコンテスト参加者による自薦は不可ということで。


 悩みどころは、ひとつのコンテストに対して、ひとりの読者が推薦できる作品数の上限と、一度した推薦の取り下げや、推薦する作品のチェンジを可能にするかどうか。


「……最初に読んだこの作品を大賞に推そうと思ったけど、後で読んだこっちの作品の方が面白かったから、こっちに代えよう」とか。


 ありか、なしか。


 皆さまは、いかがお考えでしょうか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る