潰れた本屋の元店員は、トップページのリニューアルを提案する。その1

 では、現状の問題点から行きましょう。


 まずは、このトップページ。ここが、ダメです(断言)。

 トップページに、この「カクヨム」で起こる問題のほとんどの原因がある、と言い切っても過言ではないくらい。

 それは、なぜか?


 本を読みたいお客さま…「読者」の好みは千者万別なのに、「カクヨム」に来る「読者」のほとんどが、トップページだけに集中してしまっているからです。

 つまりは、自分の作品を読んで欲しい「作者」は、このトップページに自分の作品を置かない限り、ほとんど誰にも読んでもらえない(!)ということ。

 実際、エッセイ・ノンフィクションのランキング5位以内に自分の作品これが入ったとき(ご支援をいただき、ありがとうございます)、それまで1桁だった1日のPV数の伸びが、いきなり3桁になりました(驚愕)。


 現在、このトップページに作品を置ける枠は、


 ・新着おすすめレビュー            6枠(4枠の場合もあり)

 ・新着小説                  6枠

 ・週間ランキング 各ジャンル 1~5位まで

   ファンタジー               5枠

   SF                   5枠

   恋愛・ラブコメ              5枠

   現代アクション              5枠

   現代ドラマ                5枠

   ホラー                  5枠

   ミステリー                5枠

   歴史・時代                5枠

   エッセイ・ノンフィクション        5枠

 ・注目小説ピックアップ            6枠


 で、合計63枠(61枠の場合もあり)。


 現在「カクヨム」内で行われているのは、作品を登録した「作者」全員による、この63枠の奪い合い。椅子取りゲームです。

 TwitterやSNSによる情報発信、レビュ爆、★爆、フォロ爆、相互クラスタなどは、このゲームで有利になるための有効な戦略と言えましょう。

 しかし、それが作家としての真の実力とは、無関係なのはお分かりのとおり。

 「作者」が営業活動に忙しくて、大事な創作活動に使う時間がなくなるのは、まったくもって本末転倒。

 というか、営業は、元々版元さんの仕事でしょうが! なに作家さんに営業までやらせているんですか(怒)!!


 しかし、考えてみると、この状況。かなりおかしいのですよ。

 いや、作者同士の椅子取りゲームの話ではなく。

 です。

 つまり、ここに来るお客さんのほとんどは、トップページだけを見て読むものを決めて、あとは帰ってしまっているってことですよね。

 これは、かなりもったいない。

 例えてみれば、膨大な蔵書を抱えているのに、店頭には63冊(そのうち新刊は6冊)並べただけで、残りは全部、ストッカーか、バックルームか、倉庫の中に放り込んでいる巨大書店。

 

「こちらが、当店自慢のおすすめでございます。え、『他にはないか』ですって? あとは検索機こいつに聞いて、倉庫の中を探してください。こいつは、作者さんの名前を1人も覚えていないんですが……」


 みたいな。

 ……なんだこりゃ。

 宝の持ち腐れにも、程があろうというもの。


 「読者」にして「作者」にして「本屋」の自分は、声を大きくして言いたい。 作品をいいものにしようとする作者さんの努力も、自分の作品を読んでもらおうとする努力も、どちらも間違っていません。

 だって、こんな「本屋」、絶対まともじゃありませんから!


ハンバーガーから、スイーツはもちろん、フランス料理や満漢全席まであるという触れこみの大きなレストランがあるとして。

 ハンバーガーが食べたいお客さんが来たのに、よくわからないフランス料理のメニューを出されたら、お客さんは我慢してフランス料理を食べるより、他のハンバーガーショップを探しますよね。

 逆に、フランス料理にこだわりがあるお客さんが来たのに、ファーストフードの人気ランキングばかり貼ってあるのが目についたら、注文する前に帰ります。

 こってりしたものが苦手で、そば好きなお客さんが来たのに、メニューにそばがなかったら、お客さんはがっかりして帰っちゃうでしょう。

 

 お客さん、逃がしまくりですね。このレストラン。

 店の奥では、修行を積んだそば職人が、極上のおそばを用意して、ずっとお客さんを待っているというのに(嘆息)。

 

 今の「カクヨム」は、そんなもったいないレストランみたいです。

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